全日本モトクロス選手権 最終戦MFJ-GPモトクロス大会

掲載日:2012年10月31日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/田宮 徹  取材協力/MFJ  レーシングリザルトはこちら

IA-1の決勝ヒート1。ランキングトップの成田亮(あきら)選手(#1)が、同2番手の新井宏彰選手(#331)を45ポイントリードしてレースがスタート。成田選手は11位以内でチャンピオン決定ですが、優勝での決定を目指して序盤からトップを走りました。

IA-1では成田亮選手が2年連続となるシリーズタイトルを獲得!
IA-2は山本鯨選手が大接戦を制してチャンピオンに!

全日本モトクロス選手権は、ついに今季最後の大会に。第9戦MFJ-GPモトクロス大会が、10月20日(土)~21日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。今季第4戦でも使われたこのコースは、今シーズンはじめにリズムセクションの追加などが施され、より難易度が高くなりました。決勝が行われた日曜日は、晴れまたは曇りの天候。粘土質の路面は、事前に入念な掘り起こし作業を行った上で散水を続けた、これぞベストコンディションという状態が最後まで保たれました。

排気量450ccの4ストマシンが走る全日本最高峰クラスのIA-1では、ランキングトップの成田亮選手(#1)が、2番手の新井宏彰選手(#331)を大きくリードしてこの最終戦へ。ヒート1で11位以内に入れば自力でのシリーズタイトル獲得が決まる成田選手は、そのヒート1で序盤からトップをキープ。終盤に転倒してレースは5位となったものの、タイトル獲得を決めました。このレースを勝利したのは、熱田孝高選手(#2)でした。なおヒート2では、成田選手がラストを飾る今季14勝目を挙げました。

排気量250ccの4ストマシンで競われるIA-2では、ランキングトップの山本鯨選手(#55)と2番手の星野優位選手(#166)が、わずか5ポイント差で今大会に。さらに、ヒート1で星野選手が3位、山本選手が5位となったため、両者の差はわずか1ポイント差となって、第2レースを迎えました。そして最終レースでは、山本選手が8位、星野選手が10位とまさかの展開。これにより山本選手がチャンピオンとなりました。なおレースは、スポット参戦したオーストラリア選手権MX2王者のフォード・デイル選手(#41)が、圧倒的な速さで両ヒートを制しました。

排気量85ccの2ストマシンと150ccの4ストマシンが混走するレディースクラスでは、邵洋子選手(#2)と安原さや選手(#20)が1ポイント差でレースに臨み、邵選手が優勝して初の女王となりました。

フォトTOPICS(写真点数/17枚)

01「ヒート1は、やはりタイトルを意識して走りがカタくなってしまい、結局は転んでしまいました」と、ヒート1で5位に入賞してIA-1の2年連続タイトルを獲得した成田亮選手。ヒート2では、本来の強さを披露して優勝しました。

02熱田孝高選手は、IA-1決勝ヒート1で今季初優勝。成田亮選手を先頭に、ランキング3番手の平田優選手、熱田選手、ランキング2番手の新井宏彰選手の大接戦となったレースを制し、今季不調のスズキで1勝をもぎ取りました。

03平田優選手は、IA-1決勝ヒート1で序盤から成田亮選手をぴたりとマークし、自身初の全日本最高峰クラス優勝を今季中に達成すべく力走。しかし最終的には熱田孝高選手に敗れて、再び悔しい2位となりました。ヒート2はリタイアしました。

04IA-1のシリーズランキング2位に輝いたのは、今季3勝を挙げたカワサキファクトリーライダーの新井宏彰選手。今大会では、ヒート1で3位、ヒート2で4位となりました。インのインを突く、独特なライン取りが武器のライダーです。

05IA-1決勝ヒート1で今季初優勝を挙げた、スズキファクトリーライダーの熱田孝高選手(#2)。地元が仙台とあって「ここで勝てて良かった」と、昨年誕生したジュニアと表彰台に登壇。もっとも、パパの活躍をよそに、熟睡中ではありましたが。

06シリーズタイトル獲得を決定し、お昼休みにはファン報告イベントを行った、IA-1王者の成田亮選手(#1)。「勝ってタイトル獲得を決めたかったから、まだかなり悔しいです」と言いながらも、さすがに表情は明るく、満面の笑顔です。

07IA-2決勝ヒート1のスタート直後。スポーツランドSUGOの名物となっている、傾斜角が約30度で全長が約70mの「大坂」と呼ばれる急勾配を一気に上るライダーたち。その先頭は、スポット参戦したフォード・デイル選手(#41)です。

08IA-2決勝で両ヒートを制覇した、オーストラリア選手権MX2王者のフォード・デイル選手。成田亮選手が要請して、彼が率いるチームのN.R.T.から参戦。「世界との差を、全日本ライダーに知ってもらう」というのが、その目的とのことです。

09IA-2決勝ヒート1では、他車との接触による1周目の転倒から追い上げて5位。わずか1ポイント差でランキングトップを守ってヒート2に臨んだ山本鯨(けい)選手は、ライバルの星野優位選手がさらに低迷したこともあり、安全運転で8位フィニッシュ。

10IA-2決勝ヒート1で、竹中純矢選手の黄旗追い越しによる降格もあり、3位入賞を果たした星野優位選手。これでランキングトップの山本鯨選手に1ポイント差と迫りましたが、ヒート2は「まるで自分らしく走れず」に、10位に終わりました。

11IA-2決勝ヒート1で、日本人最高位となる2位フィニッシュを果たした田中雅己選手。三原拓也選手が、このヒートでポイント獲得圏外となったことから、ヒート2でも5位入賞を果たした田中選手は、ランキング3位に浮上して今季を終えました。

12第5戦北海道大会で転倒リタイアおよび負傷、第8戦の前に練習でケガと、今季は度重なるアクシデントにより、タイトル防衛を逃したIA-2の三原拓也選手。それでも今大会の決勝ヒート2では、日本人最高位の2位に入り、シーズンを締めました。

13IA-2の決勝両ヒートを制したフォード・デイル選手。今季はN.R.T.を率いる成田亮選手のトレーナーを務める、オーストラリア出身の勝谷武史選手がコーディネイトして、今回の参戦が決定。日本人ライダーに、まざまざとその差を見せつけました。

14IA昇格3年目で、初のシリーズタイトル獲得を果たした、IA-2の山本鯨選手。昇格と同時にスズキファクトリー入りするも、これまで2年はケガによりランキングは低迷。今季は、星野優位選手と三原拓也選手の追撃を振り切り、王者となりました。

15レディースクラスでは、好成績だった6戦分のポイント合計数でランキングを競う、有効ポイント制が導入されています。そして、邵(しょう)洋子選手は安原さや選手をわずか1ポイントリードして、今大会の決勝レースへと臨みました。

16勝ったほうが文句なしでチャンピオンとなるレディースクラスの優勝バトルで、惜しくも邵洋子選手に敗れて2位となった安原さや選手。一時はトップを走行しましたが、レース中盤に抜かれ、その後は差を広げられてしまいました。

17レディースクラスでは、今回優勝した邵洋子選手(写真右)が、安原さや選手(同左)との争いに競り勝って初の女王に。「子供のころからの夢だった全日本チャンピオンになれて、本当にうれしいです。これからも速さを追求します」と邵選手。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索