【モトグッツィ V85 TT試乗記】80年代をオマージュした等身大で楽しめる冒険ツアラー

掲載日:2019年05月28日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎 撮影/山家 健一

モトグッツィ V85 TTの特徴

最新の縦置きVツインに電制を投入
現代レベルの走りを手に入れた

モトグッツィ V85 TTの試乗インプレッション

V85 TTは普通のライダーやビギナーにも扱いやすい程よい車格と低いシート高が美点で、荷物を積んでタンデムで旅をすることも織り込み済みの車体設計となっている。風洞実験から生まれたウインドスクリーンやグリップガードが快適性を高め、ラリーマシン譲りの21リッタータンクは400 kmのロングライドを実現するという。

モトグッツィ V85 TTの試乗インプレッション

エンジンは空冷縦置き90°VツインOHV2バルブの伝統的なレイアウトながら中身は最新式。排気量もボア84 mm×ストローク77 mmの853 ccでV9シリーズと排気量は同じだが完全新設計に。チタン素材の使用などで80 psの最高出力を誇る。

フレームはオフロード走行を前提に開発された高張力鋼管製の専用タイプを採用し、アンダーパイプを廃すことでオフロード走行での最低地上高を確保しつつ軽量化。エンジンマウントも強化された。サスペンションはオンロードにおける快適性を確保しながら、オフロード走行に応える前後約170 mmのホイールトラベルを実現。φ41 mmのフロント倒立フォークとリザーバータンク別体式リアショックの組み合わせで、ともにプリロードと伸び側ダンパーの調整が可能。ブレーキもフロントはダブルディスクにブレンボ製対向4ピストンとラジアルマウントキャリパーを組み合わせるなど本格的。

モトグッツィ V85 TTの試乗インプレッション

電制も進化した。V85 TTには3種類のライディングモード(Road、Rain、Off-road)が搭載され、出力特性やABS、トラクションコントロールなどの設定もそれぞれのモードに合わせて最適化される仕組み。クルーズコントロールも合わせ、交通や路面状況にフィットした安全で快適な走りを楽しめる。そして、これらのモードはTFTディスプレイで直感的に操作可能。現代のマシンらしく、ディスプレイ横とシート下にUSBポートが装備されるなどモバイル機器にも対応する装備も嬉しい。

モトグッツィ V85 TTの試乗インプレッション

また、マルチメディアプラットフォームにも対応。アクセサリーとして入手可能なECUとスマホを接続することで、インカムを通じて音楽再生や電話を可能としている。さらに大容量のサイドパニアセットや3段階の高さが選べるコンフォートシートなど、旅の楽しさを広げる純正アクセサリー類が充実していることも見逃せないポイントだ。

V85 TTの試乗インプレッションは次ページにて

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