掲載日:2019年03月07日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 撮影/山家 健一
まず見た目がカッコいい。尖がっていてもエレガントというデザインセンスの良さはイタリアンならでは。RX125のときも思ったが、エンジンから車体、フェンダーなど外装のディテールに至るまで手抜きがなく作り込まれている。ボディも250ccクラス並みに大柄で、コストダウンモデルが多いこのクラスとしては珍しい存在感を放っている。
跨ってみると意外にも足着きが良いことが判明。前後17インチに加え、スリムな車体とよくストロークする前後サスペンションのおかげで、オフロードタイプのRXに比べると明らかにシートが低い。これはストリートで乗り回すには大きなメリットだ。
エンジンは元々レーサーレプリカのRS4 125用なので、とにかくパワフルでよく回る。高回転ハイパワー型の特性ではあるが低中速トルクも十分で、134kgの軽い車体を生かしてスタートダッシュもめちゃくちゃ速い。そして、6速クロスミッションとロング寄り(最高速重視)のファイナル設定により伸びやかな加速を楽しめる。4スト単気筒とはいえ振動が少なく緻密でスムーズな回転フィールはさすがレーサー譲り。回し切れる喜び、響き渡る甲高いエキゾーストノートはなかなかの快感だ。交通の流れの速い湾岸エリアでいろいろなバイクと疑似バトルを楽しんだが、250ccクラスと遜色ない走りで他車をリードすることができた。
ハンドリングもクセがなく実にニュートラルで軽快。やはり17インチとオンロードタイヤの組み合わせはアスファルト路面ではより自然なフィーリングだ。サスペンションは前後ともRX125と同じ設定で、ストローク量はたっぷりあるが減衰力が効いているため車体の姿勢は常に安定しながら乗り心地も良い。ブレーキングでもフロントがしっとりと沈み込んでくれるのでターンのきっかけを作りやすく、目線を向けるだけで自然にコーナーへと吸い込まれていく。標準タイヤのグリップも上々で、寒い季節でも安心してコーナリングを楽しめた。
走りが楽しいので、それを表現するとどうしても過激なマシンに思われてしまうかもしれないが、街乗りでも実にスムーズで扱いやすかった。軽い車体と足着きの良さ、豊富なハンドル切れ角を生かし、都会の街をネコ科の動物のようにキビキビとしなやかに走り回ることができる。車体が大柄なのでミニモトのようにはいかないが、その分走りのグレード感やアピール度は満点だろう。小型二輪免許で気軽に乗れてランニングコストも負担が少ないのも美点。洗練されたまさに都会のスプリンターだ。
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