PR4 240Limited
PR4 240Limited

エージェーピー PR4 240リミテッド – オフロード走破性を重視した作り込みのライトウエイトスポーツマシン

掲載日:2016年06月15日 試乗インプレ・レビュー    

テストライド/小林直樹  写真/長谷川徹  まとめ/小川浩康
※この記事はオフロード雑誌『GARRRR』の人気企画『小林直樹のオフロードバイク・テイスティング』を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(GARRRR vol.333 2014年01月発売)

AJP PR4 240Limited DATA FILE

エージェーピー PR4 240リミテッドとは

AJPはポルトガルのエンデューロライダー、アントニオ・ピント氏によって創業されたバイクメーカーで、走りに合わせて好きなパーツを組み合わせる「セレクト・ビルドシステム」を導入しているのが特徴だ。このシステムは、125ccか240ccの空冷4ストエンジン、パイオリかマルゾッキのフロントサス、スモール・スタンダード・モタードの3タイプのホイールサイズなど、全96通りの組み合わせが可能となっている。「プロライダーのような特別なライディングスキルを持っていなくても、誰もが楽しいと感じられるバイクをデザインしたい」というピント氏の思いを結実させたシステムなのだ。今回のテストバイクPR4 240Limitedハイスペックコンプリートモデルは、扱いやすい240ccエンジン、スチール製メインフレームとアルミ製サイドフレームのハイブリッドフレーム、シート下燃料タンク、一体鋳造製スイングアームといったPRシリーズ共通の基本コンポーネントに、フロント21・リヤ18インチオフロードホイール、マルゾッキフロントフォーク、リーガルキットを標準装備。公道走行対応のオフロードバイクとして、コンプリート販売されている。

足着き性

身長170cm体重70kgの小林氏がまたがると両足のつま先が着く。「お尻を少しズラせば片足をしっかり着くことができるし、車重も軽いからグラっと来ない。シート幅もスリムで、それも足着き性をカバーしてくれている。ハンドル位置は高めで、スタンディングするとトライアルマシンに乗ったような感じとなる。アクションライディングしやすいけれど、シッティングでの移動はもう少しハンドルは低いほうが楽になると思う。ふところは広すぎず狭すぎないけれど、ややリヤ寄りのポジションだと感じた」と言う。

IMPRESSIVE POINT

「極低速からトルクが立ち上がるけれど、パワーは必要十分といったレベル。ハイスピード走行を求める人に物足りないけれど、獣道アタックやトライアル的なライディングをしたい人には最適のエンジン特性で、ビギナーも扱いやすさを感じられるはずだ。そして燃料タンクがシート下にあるので、通常のタンク位置がスリム。前後左右どの方向にもボディアクションしやすいライディングポジションになっているのもいい。ローギヤードなギヤ比はアクションライディングを重視する俺には扱いやすさになるけれど、高速域の伸びを抑えてしまう。トレールバイク的に乗りたい人は、もう少しハイギヤードがいいね」

PR4 240リミテッドは こう味わえ!

ミドルサイズトレール並みの扱いやすさに、低中速域でピックアップのいいエンジンを搭載。それでいて車重はトレールバイクよりも軽いから、ダート走破性は高い。排気量にモノを言わせて走るような場所では非力さを感じるけれど、セクション系エンデューロでは軽さと扱いやすさがライダーを大いに助けてくれるはずだ。ただし振動は多めで、ナンバー付きとは言っても舗装路での移動はトレールバイクほどの快適さはない。そうした点を理解していれば、ナンバー付きの理由がクローズドコース以外を走れることだと納得できるだろう。125の軽さと250の安定感を兼ね備えた乗り味が、日本人にジャストサイズの車体に詰まっている。ダートでのマシンコントロールを身につけるのに最適な1台だよ。

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