

掲載日:2015年09月25日 試乗インプレ・レビュー
ライダー/渡辺学 写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康 記事提供/GARRRR編集部
この記事は、雑誌『GARRR』Vol.354 の「2016最新レーサーイッキ試乗」を再構成・転載したものです。
ラリー、エンデューロだけでなく、モトクロスでも「常勝」メーカーとなったKTM。世界のモトクロスシーンでさらに勝ち続けるために、モトクロッサー2016SXシリーズはフルモデルチェンジで登場となった。
4ストのみならず、この2スト125SXもエンジンとフレームを新設計。KTMが2ストエンジンの開発を続けるのは、より厳格化される排出ガス規制を見据えてのことで、そうした中で125が担う役割は小さくないという。その125SXを日本最速ライダー渡辺学選手がテストライド。テストコースはドライコンディションの山梨県クロスパーク勝沼だ。
人車一体のエルゴノミクスデザインとなったボディワーク。シート中央で10mm下がり足付き性を向上。数値流体力学的に計算された通風デザインでラジエター冷却効率も10%向上している。
シリンダー、パワーバルブシステム、ピストン、クランクケース、トランスミッションのすべてが新設計。旧モデルから2.1kg減の単体重量17.1kgを達成。
ガルファー製ウェーブディスク。フロントは65g、リアは30g軽量化。「カチッと利きますが、コントロールは若干シビア」と渡辺選手。
「とにかく軽いですね。車体の軽さもありますが、エンジンの吹け上がりのよさもライダーに軽い乗り味を感じさせる要因になっています」と、軽いと言われる2ストのなかでも、とくに“軽さ”が好印象のようだ。
「アクセルに対するツキがよく、アクセルを開けた分、車体が前に出る感じがします。それに高回転までスムーズに吹け上がるので、パワーの出かたも予想しやすく、アクセルコントロールがしやすいんです。
ただ、そうは言っても2ストなので、4ストよりもパワーの立ち上がりが早く、リヤタイヤが路面を掻くこともあります。でも、そんな時に車体の軽さが生きてくるんです。リヤタイヤが路面に埋まらずに、前に進んでくれるからです。125と小排気量なのでコーナーでは半クラッチを使いますし、アクセルを開けないとレーシングスピードになりません。でも、軽さとツキのよさで、サンデーライダーも扱いやすさを感じられる仕上がりだと思います」
タテ剛性は30%落とし、ねじり剛性は20%向上した新設計クロモリ鋼フレームは380g軽量化。サブフレームはアルミで250g軽量化されている。
フレームのねじれ特性に合わせて内部構造を修正した新型スイングアーム。250gの軽量化も実現。
圧伸ともに30段階の調整可能なWP製48mmACSエアフォーク。金属バネを廃し、1.4kg軽量化。WP製リヤショックは全長12mm短縮しつつ、ホイールトラベルは10mm増加したニューモデル。車体合計で3900g軽量化されている。
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