

掲載日:2015年02月18日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/三上 勝久(FRM) 写真/GASGAS ライダー/大川原 潤、春木 久史(BIGTANK MAGAZINE)
車名の『RANDONNE』(ランドネ)は、もともと登山用語でトレッキングやハイキングを意味する言葉だ。ハードな登山というよりも、ゆるやかな山岳地帯を楽しみながら歩くイメージで、そうした遊びをバイクで可能にさせるために生まれたのがこのモデルだ。
TX RANDONNE 125
ガスガスには、過去にこれに近いコンセプトを持つ『パンペーラ』という機種も存在していたが、パンペーラが一般的なオフロードバイク的なデザインを持っていたのに対し、このランドネは“座れるトライアル車”といったデザインを採用している。実際に、着脱が容易なシートを取り外すと、入門用トライアル車そのままといった外観になる。エンデューロマシンはパワフル過ぎるし車体も大き過ぎる。かと言ってシートのないトライアル車ではずっとスタンディングで走らねばならず、疲れてしまう。何かいい案はないものか…と生まれてきたのがこのモデルなのだ。
5分もあれば取り外しができるランドネのシート。前側のストッパーのボルトも外せば、草トライアル大会などに出るのに最適なスタイルになる。
ランドネからシートを外した状態のサイドビュー。ほぼ現代のトライアル車と同じルックスになる。標準装着されるタイヤはトライアルタイヤであることからも、このモデルの性格と狙いが見える。サイドスタンドはチェーンラインを避けるため右側につく。
この“座れる”ことが、ランドネをより多くのライダーが楽しめるユニークな存在としている。オフロードビギナーや、自然の地形を走るための道具としてオフロードモデルを求めているライダーにとって、実に嬉しいプレゼントだと言える。
エンジンは排気量125ccのヤマハ製セルスターター装備空冷4ストローク。軽い車体で十分なパワーとトルクを発揮する。燃料タンク容量は4リットルと小さいが、燃費の良いエンジンなので、一度給油すればかなり長い時間を楽しめると思う。ジャンプをするには不向きだが、エンデューロモデルでは限られたライダーしか行けないような場所へ、このランドネであれば行くことができる。そうした遊びをしているライダーは(すでにこのバイクの良さを知っているだろうが)一度試乗してみて欲しい。
クレードルフレームは、エンジンも強度メンバーとして使用する設計。エンジン下部には大きく頑丈なアルミ製アンダーガードが標準で装着されている。
ソフトで扱いやすいサスペンションには、トライアル車と同じく小振りのディスクブレーキと2ポットキャリパーが採用される。ディスクガードが標準装備。
なお、今回は試乗できなかったが、ボアを拡大して179.2ccとした200ccモデルも用意されている。これで高速道路に乗るのはお薦めできないが、より太いトルクを求めるライダーには、こちらも嬉しいラインナップだ。
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