

掲載日:2013年09月09日 試乗インプレ・レビュー
インプレッション/中村 泰介 まとめ/ダートライド編集部 写真/佐藤 春道、ヤマハ発動機
モトクロスの世界でここまで4ストロークを定番化させたのは、ヤマハがYZシリーズで量産型400ccモデルを1998年にデビューさせてからだ。前年にはすでに世界選手権やAMAスーパークロスで優勝の実績を出し、もはや「モトクロスで4ストロークは勝てない」という常識は崩れ去った。その後もヤマハは4ストロークモデル開発の手を止めず、レーサーとしての進化を着実に遂げていった。
ここ最近で印象的なのは、やはりモトクロス界ではマイナーであった、前方吸気・後方排気のレイアウトを実現化させた事だ。この方式はレース現場から量産車にやはりフィードバックされ、2014年モデルでYZ250Fも取り入れるまでは量産車ではこのYZ450Fが唯一の車両であった。
2014年モデルのYZ450Fも、下位モデルの250と同様、外観的に目を引く作りが多い。ガソリンタンクのキャップが見当たらず、タンクも完全にシート下にレイアウトされ、1段下がった位置にあるキャップ上にはカバーが付く。そのカバーから前に続くフラッシュサーフェース化された部分に、エアクリーナが収まる。前方吸気・後方排気の機構をうまく生かしたこの新しいレイアウトで、重量物をセンターに寄せ、クリーナーへのアクセスもさらに容易になった。
その前方吸気・後方排気のレイアウトにさらに一歩踏み込んだのが、2014年モデルのYZ450F。エキゾーストパイプをエンジン後方から直にサイレンサーに繋げず、1度車体左側に出してエンジンを囲むようにようにする事で、重量物であるサイレンサーを極力、車体センターに寄せる事に成功。また、排気管長を十分に確保出来、排気脈動効果の面でパワー特性にプラスにはたらく。
新設計のアルミ製バイラテラルビーム・フレームは、450ccマシンのイメージを一新するコンパクトボディで、パワーユニット系を含めた各部軽量化の効果も加わって、2013年モデルより約0.7kg軽いボディに仕上がっている。形状は2013年モデルと同様だが、ヘッドパイプ位置を10mmライダー側に寄せている。
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