


掲載日:2009年03月13日 試乗インプレ・レビュー
シェルコは1999年に設立したスペインのメーカーで、以前はブルタコ・シェルコとして2ストトライアルマシンを造っていた。2000年に4サイクルのトライアルマシンとエンデューロマシンのプロジェクトを開始し、2005年にはSE 2.5i -F用のエンジンが発表されていたが、まずはSE 4.1i -Fを2006 年から世界選手権エンデューロに投入している。シェルコはほかにも125クラスのシティコープという街乗りバイクやモタードマシンなど、オフロードモデルのラインナップを拡充している新進気鋭のメーカーだ。
今回試乗したSE 2.5i -Fのエンジンは、250エンデューロマシンのために作られたインジェクション専用設計だ。450ccモデルにあったキックスターターは廃止され、クランクケースも450のそれよりふたまわりはコンパクトにまとめられている。
車体を見回すと細部に至るまで軽量化と低重心化が施されているあたりは、さすがトライアルマシンのノウハウを持ったメーカーといえる。
「2ストバイクをこんな感じで4スト化してくれればいいなぁ、と思っていたイメージに近いバイクだね。重いバイクだとすぐ倒れちゃうけど、このバイクは軽いから支えられるんだよね。まるで2ストみたい。4ストって感じがしないんだよ。ハンドルも良く切れて低速でのクイックなターンをしやすいから、トライアルセクションのような場所でも遊べる。フレームもよくしなってヒラヒラと旋回できる。これは最近の4ストEDレーサーにはない大きな武器だね」
「サスペンションはフロントが少し硬めなんだけど、リアはソフトだね。前日の雨でフープスとかが水没しているから走れないけど、今度はモトクロスコースでも乗ってみたいな。エンジンは低回転を使うとトライアルのまねごとができてしまうほどなのに、回したら回したで結構パワーが出ている。低速トルクばかりかと思ったけど、高回転もパンチがあるからタイヤをスライドさせるのも楽だった。上級者も満足できると思うよ」
SE 2.5i -Fのエンジンは初めからインジェクション用に設計されているため、持てるパフォーマンスを十分に発揮できているのだろう。ハンドル右側にはインジェクションのマップ切り替えスイッチがあり、ソフトとハードを選ぶことができる。
満を持して登場したシェルコ・エンデューロは、デビューイヤーにして石井正美氏から高い評価を獲得するほど完成度が高いマシンだ。
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