

掲載日:2008年03月18日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
フューエルインジェクションの美点は、始動性が気温などの環境に影響されないことである。身を切るような寒い朝でも、エンジンはセルスイッチのワンプッシュでアイドリングを開始する。試してはいないが、真夏の走行後の再始動でも同じ始動性の良さをみせてくれるだろう。さて、気になるエンジンフィール。アイドリングからしばらくは、単気筒らしいトコトコ感があるが、そのまま速度をのせていくと、あるところからスゥーッと電気モーターのように回りだす。パワーは回転に合わせてどんどんついてくる。ああ、高回転域がおいしいエンジンなのだなぁと理解させられた。気分的にはタコメーターが欲しいところだが、装備するデジタルメーターにその機能はない。
インプレッション・ステージは、都心から郊外の住宅地。たぶんこのバイクが最も多く使われるシチュエーションであるはずの、いわゆる「街乗り」である。結論からいえば、小気味よく回るエンジンと、扱いやすいブレーキのおかげで、街乗りが楽しくてしかたない。たとえば、交差点にそこそこのスピードで進入し、ひらりと曲がり、また加速していくようなこと。ただの曲がり角ひとつが、たちまちファン・スポットになってしまうのだ。走っていて気になったのは、スタイリッシュなカバーのついたマフラーからの排気音。とはいっても悪い意味ではない。現在の規制にきちんと適合していながら、しっかりと「らしい排気音」を持っている。うるさすぎず、静かすぎて拍子抜けすることもなく、ライダーの気持ちの高ぶりが排気音にも反映されているかのようだ。高性能なバイクではあるが、WR250X、日常のシチュエーションでのファン度も高い。
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