掲載日:2013年11月18日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
ナルシス・カサスとジョセップ・ピベルナによって1974年にスペインで創業されたガスガスは、バイクの車体や部用品の販売を行う会社をルーツとする、オフロード系のモーターサイクルメーカーだ。1985年にトライアル競技車両の開発に着手し、その4年後にはオフロードのエンデューロモデルを生産開始。それ以降もトライアルとエンデューロが中心だった事もあり、以前は2ストロークエンジンを専門としていたが、現在では4ストロークエンデューロモデルや電動トライアルバイクの開発にも積極的である。
そんなガスガスの2014年ラインアップの中で、2ストロークエンデューロシリーズの頂点に君臨するのが、このEC 300 Eだ。クロームモリブデン鋼を使ったメインフレームに、クランクケースリードバルブ式の299.3cc水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載している。燃料供給はキャブレター方式で、ケイヒン製のPKWS38を採用。トランスミッションは、6段リターン式となっている。ホイール径は、エンデューロモデルでは定番の前後21/18インチ。前後にウェーブ型ブレーキディスクを備える。2012年型までは前後サスペンションがザックス製だったが、2013年型以降はフロント倒立フォークがマルゾッキ製に変更されていて、これは2014年型も同様である。
その14年型では、更なる戦闘力アップを求めて、各部に変更を受けている。まず車体は、従来よりもトータルで2kg以上も軽量化が図られ、あらゆる地形においてよりコントローラブルな性能が追求された。またエンジンは、シリンダーとシリンダーヘッドなどが熟成され、パワーアップだけでなく軽量化も図られた。セルを省いたEC 300が、ガソリンを除いた半乾燥重量107kgと発表されているのに対し、セルスターターを標準装備したEC 300 Eは、3kgの重量増となる。しかしその分、得に悪路における始動の負担は大幅に軽減されている。2014年型も、エンデューロの最高峰モデルとして、世界中で愛用される事だろう。