掲載日:2013年02月12日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
ハスクバーナは、スウェーデンで誕生し、1986年にイタリアのカジバ、2007年にはドイツに本拠を置くBMWの傘下となった。さらに2013年1月末にはそのBMWが、「ハスクバーナをオーストリアのピーラー・インダストリーに売却することで合意した」と発表した。このように、長年に渡り国籍を変更しながら、ハスクバーナはスーパーモタードを含むオフロードの世界で、数々の輝かしい成績を残してきた。その一方で近年は、ヌーダ900シリーズでストリートシーンへの本格参入を開始。そして2013年、その第2弾としてTR650シリーズを投入した。
このうちTR650“ストラーダ”は、前後19/17インチ径のアルミキャストホイールにオンロードタイヤを履かせた、軽快なライトウェイトスポーツだ。搭載する652cc水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは、これまで親会社だったBMWのG650GS用をベースに、各部を徹底的にチューニングしたもの。シリンダーヘッド、ピストン、クランク、カウンターバランサーシャフトまでもが変更され、バルブ系の拡大やカムシャフトの専用プロファイル化も施されている。これらの改良により、振動を抑えながらもG650GSの48馬力を大きく上回る59馬力の最高出力を達成。もちろん、単純なパワーアップだけでなく、軽快な吹け上がりや高回転化も実現している。
一方の車体は、スチール製のメインフレームを軸に、フロントにはザックス製の倒立フォーク、リアサスペンションには同じくザックス製で、プリロードと伸側減衰力の調整が可能なモノショックを装備。ブレーキは前後とも、ブレンボ製のディスク式。標準装備されるABSは、スイッチ操作によりキャンセルも可能だ。14Lの燃料タンクを満タンにした車両重量は186kgと、軽めに仕上げられている。
TR650“テラ”と呼ばれるオフロード仕様の兄弟車が存在する事もあり、左右2本出しのアップタイプサイレンサーなど、デザインにはマルチパーパス系の要素も多いが、このモデルがターゲットとしているのは完全にオンロード。アーバンクルージングやツーリングを楽しみたいユーザーに、特に向いている機種だ。
スーパーモタードの要素を取り入れたストリートファイター。2012年型で、よりオンロード寄りに。690cc水冷OHC4バルブ単気筒エンジンを搭載し、前後17インチホイールを履く。
波乗りをするかのようにストリートを軽快に楽しめる操縦性が追求された、海外向けモデル。649cc並列2気筒水冷エンジンを搭載。ストローク量の多い前後サスペンションを備える。
日本では2012年6月に発売開始。652cc水冷単気筒エンジンを搭載した、都会からフラットダートまで幅広く楽しめるモデル。前後19/17インチホイールを採用する。
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