掲載日:2012年05月02日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
12年型として新発売されたフリーライド350は、オーストリアのKTMが放ったニュージャンルのオフロードバイク。これまでのエンデューロ系モデルや国産のデュアルパーパス、ナンバー付きトライアルモデルなどのどれとも違った、独自路線のファンライド追求モデルだ。
エンジンは、セルスターターを装備して燃料供給にF.I.を使った、349cc水冷4ストDOHC4バルブ単気筒。同社のエンデューロ系モデルである350EXC-F用をベースに、低中回転域を重視した仕様変更や、コストパフォーマンスをアップする各部の改良が施されている。具体的には、キック始動用パーツが取り外され、クランクケースが砂型鋳造製からダイキャスト製となり、ギア比が専用化されるなどしている。これを搭載する車体は、エンデューロ系とは異なる完全専用設計品。車体前側のクロモリ鋼パイプ部と、リアセクションの高剛性樹脂パーツ製サブフレームを、中央部のアルミ製フレームでつないだ構造となっている。前後サスは、KTMが12年型では全車で使用しているWP製。前後とも減衰力調整が可能で、フルアジャスタブル式のリアモノショックは、圧側減衰力が高速側と低速側の2ウェイ調整式となっている。ブレーキシステムとクラッチ油圧機構は、自転車用パーツのブランドとしては有名なフォーミュラ製。フロントブレーキには、ラジアルマウントの4ポットキャリパーを使っている。こちらも自転車業界では著名なジャイアント製のリムを使った前後ホイールは、フロントが21インチ径でリアが18インチ径。この設定は公道用オフロードモデルとしては一般的だが、タイヤはトライアル競技用に開発されたダンロップのD803を履いている。
このフリーライド350は、公道用モデルとして開発されているが、燃料タンクはわずか5.5L容量で、純正タイヤは公道走行が可能なもののアスファルトで乗ればすぐに摩耗してしまうトライアル競技用を採用するなど、日常的に公道で走行するような使い方はあまり想定されていない。というのも、ターゲットはあくまでもオフロードでのファンライドだから。トランスポーターで遊びの拠点まで運んだり、もしくは郊外に住むライダーがすぐ裏の山で遊んだりという使用に向く。しかし、利便性を排除したモデルだからこそ、遊びのフィールドでこれまでのオフロードバイクにはない自由なライディングを楽しめる性能が実現されているのだ。
前後輪19/16インチ径の超コンパクトな車体と249cc空冷単気筒エンジン。性能はフリーライド350とは大きな差があるが、自由なライディングを追求した割りきり姿勢は似ている。
249.5cc水冷4スト単気筒エンジンを搭載したエンデューロモデル。フリーライド350の直接的ライバルは皆無。実際に購入を悩むとしたら、価格を含めて考えればコレあたりか?
248.6cc水冷4スト単気筒エンジンを搭載。フリーライド350と同じKTMのエンデューロモデル。より遊び方が明確で慣れ親しんだパッケージングのマシンと、購入を悩む人も多いはず。
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