掲載日:2011年04月07日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
1980年にR80G/Sとして誕生し、2010年に30周年を迎えた、アドベンチャーツアラーのGSシリーズ。1990年代には単気筒モデル、2000年代には並列2気筒モデルにも、GSを名乗る機種が追加されたが、フラッグシップには初代から一貫して、「ボクサー」と呼ばれる水平対向2気筒エンジンが使われている。
そして、R1150GSからフルモデルチェンジを受けて2004年に新登場し、以降長きにわたり旗艦として君臨するのが、R1200GSだ。1994年のR1100GSでエンジンがOHC4バルブ化されたことや(それ以前はOHV2バルブ)、1999年のR1150GSで排気量が拡大されたことなどで、少しずつ車重が増えていたことから、R1200GSの開発時における最大のテーマは、大幅な軽量化とされた。実際、排気量が先代から約40cc拡大され、BMWのボクサーツインで初めてバランサーを採用したにもかかわらず、エンジン単体重量は1150比で3kg減。変速機にいたっては10kg以上のダイエットに成功している。フロントサスペンションに、一般的なテレスコピック式ではなく独自のテレレバータイプを使うのは、1100時代と同様だが、もちろん各部に改良が施されている。というより、足まわりだけでなくすべてにおいて、1150とは共通パーツがほぼないほどに、改良の手が加えられた。ちなみにこの初代1200で、GSとして初めて3ケタ馬力(発表最高出力は100馬力)を達成している。
さて、より軽くスタイリッシュに生まれ変わったことで、世界中で爆発的にヒットしたこのR1200GSだが、2008年には早くも大がかりなマイナーチェンジを受けている。この際に、エンジンは圧縮比アップなどで105馬力となり、外装デザインは従来型のイメージを踏襲しつつ刷新。さらに、ASCと呼ばれるトラクションコントロール機構や、エンデューロ対応のESAと呼ばれる電子調整式サスペンションを、オプションとして選べるようになった。さらに2010年には、HP2スポーツ譲りのDOHCエンジンを採用。最高出力こそ110馬力とわずかな増加にとどまるが、実用域での性能が大幅にアップした。「世界最高のアドベンチャーツアラーバイク」であろうと、常に進化し続けているという点も、R1200GSの魅力といえるだろう。
2010年に新登場した、海外市場向けの並列2気筒アドベンチャーツアラー。電子制御スロットルやトラクションコントロールなど、多数の最新ハイテク技術を採用している。
1198cc水冷90度Vツインエンジンを、トラスフレームに搭載。一般的なオンロードモデルと同じ前後17インチタイヤを履いた、さまざまな道に対応したイタリアンモデルだ。
排気量999ccの水冷75度Vツインエンジンを搭載した、オーストリアブランドのアドベンチャーモデル。前後ホイールは21/18インチ径と、オフロードを強く意識した設定だ。
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