エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンション

  • 取材協力/ジーセンス  取材・文/守田二草  撮影/伊勢 悟  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
  • 掲載日/2017年2月9日

オーリンズ製サスペンションのカスタムで高い評価を得ているプロショップ『ジーセンス』が、ヤマハのエンデューロレーサーWR450Fをカスタマイズ。過酷なオフロードレースの走行環境で、マシンのポテンシャルを発揮させるために開発されたジーセンス仕様のオーリンズ製サスペンションには、代表の舟橋さんの走りへのフィロソフィが落とし込まれている。

エンデューロレースの過酷な走行環境下で
結果を出すためにサスペンションに求められることとは?

路面からの衝撃を緩和し、車体を安定させるサスペンション。適正に機能しないと、エンジンのパワーがあっても十分に発揮することができない。また、ハンドリングやブレーキにも影響が大きいのが特徴だ。バイクの運動性能を左右する重要なパーツのため、エンデューロマシンにはさらに高度なセッティングが求められる。サスペンションを専門に扱うプロショップ『ジーセンス』が「とにかく速く走れるようにしたい」というオーナーの要望を受け、本格エンデューロレーサーとして話題のWR450F用のオーリンズのフルスペックサスペンをワンオフ制作した。

「車重もパワーもあるので、快適に乗りこなせるバイクではありません。疲れるけど走るのが楽しい。オーナー様の体型に合わせて、前後サスペンションのショート化とスプリングレートの最適化を施しています」

試乗と撮影を終えて、モータースポーツの魅力を笑顔で語る代表の舟橋潤さん。オフロードモデルはサスペンションのストロークが長い分、セッティングの善し悪しが顕著に出るため、繊細な調整をおこなったという。サスペンションは「走る」「曲がる」「止まる」という基本的な性能に影響を与える。ライダーの体格や乗り方に合わせ、どんな走行環境でもその性能を発揮できることが重要だという。

「普段から“安全に、快適に、楽しく走れること”を大切にしています。ちゃんと走って曲がって止まれることが、安全面だけでなく速く走ることにとっても重要なんです。サスペンションのセッティグが決まるとバイクとの一体感が生まれ、思ったように操作しやすくなります」

無理して自分をバイクに合わせるのではなく、多彩なサスペンションのパーツや調整機能を駆使してバイクを乗り手に合わせることが大切なのだ。ジーセンスのサスペンションカスタムにおけるノウハウを落とし込んだレシピが、それを高次元で実現させている。

変化に富んだ走行環境に合わせた多彩なセッティングが可能!

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

エンデューロレースはタイムを競うレースだ。長時間耐久やタイムアタック方式などがある。コースは自然の地形を利用したもので、細い山道やアップダウンの激しい斜面、川の横断や遡上など、競技以外にも自然の中でバイク楽しむという側面もある。車両も競技モデルが主流のモトクロスレースとは異なり、市販モデルでも参加できる気軽さも魅力。

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

オフロードでは砂、泥、岩場、枯葉、倒木など路面状況はさまざまで、高低差もある。マシンの車格や車重、性能、ライダーの体格、スキル、体力なども考慮し、トータルのマッチングが重要。川や水たまりを走る場面も多く、車高のセッティングもシビア。サスペンションの持つ調整幅も重要なポイントだ。

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

ヤマハが本格エンデューロマシンとして開発したWR450F(2014年型)。アルミ製バイラテラルビームフレームに、DOHC5バルブの水冷4ストローク単気筒449ccエンジンを搭載。エンデューロライダーから評価されているIMS製ビッグタンク。FMF製マフラーを装備。タイヤは公道走行を可能にしたブリジストンの本格的エンデューロレース用タイヤGRITTY EDを履く。

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

ハンドルは中央部分が太く、レバーやグリップなどが取り付けられる部分に向けてテーパー状になっているヤマハ純正のプロテーパー製バー。オーリンズ製ステアリングダンパーSD681を装着し、剛性と操作性を向上させている。ステアリングダンパーの価格は15万2,000円(税別・諸費用別途必要)。

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

モトクロスやエンデューロで評価の高い、オーリンズ製FGYA1456 RXF48フロントフォークをセット。価格は46万6,000円(税別・諸費用別途必要)。オーナーの体格に合わせてショート化し、スプリングレートを最適化。フォークボトムは打撃石に対する耐久性が向上したアルミ合金。長いジャンプの着陸時に必要な強度を備えている。

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

リアサスペンションはモトクロやエンデューロ用のオーリンズ製YA1484 TTX44。価格は16万3,000円(税別・諸費用別途必要)。ストローク量が大きく、よく動くのにフラットな乗り味が特長。セッティグ変更に対する車体の反応も多彩で、ユーザー好みの絶妙なセッティング調整が可能だ。

エンデューロで機動力を発揮するジーセンスの“勝負”サスペンションの画像

ジーセンス代表の舟橋さんは15歳でロードレースを開始。16歳から18歳まではアメリカのロサンゼルスに住み、トレーニングとしてモトクロスをはじめる。「運転技術のスキルアップには、さまざまな路面状況で走るモトクロスが手っ取り早い(笑)。今もプライベートでオフロードを楽しんでます」

ジーセンス

ジーセンス

住所/神奈川県横浜市南区中里1-13-17 ヤマリアビル1F
電話/045-720-3014
営業/10:00-20:00
定休/月曜・第1日曜日

オーリンズをメインに2輪用サスペンションの販売、オーバーホール、仕様変更、セッティングサポート、車体取り付けなどを手がけるプロショップ。オーリンズ製サスペンションのワンオフ製作、自社ブランドオリジナルのスプリングやサスペンションパーツの開発、販売もおこなっている。