
写真・文/Red Bull Content Pool
史上初の水上FMXトラックで行われたファイナルで、日本の東野 貴行が接戦の末にジョシュ・シーハンに破れたものの、今シーズンのRed Bull X-Fighters自己ベストを達成、2位となった。
ミュンヘン(ドイツ)-抜けるような青空の下、焼け付くような暑さとなった土曜日のミュンヘン。日本の東野 貴行は、今シーズンの自己ベストパフォーマンスを達成し、昨シーズンに出身地大阪で初優勝した時の調子にかなり近づいた。しかし、アクション満載のファイナルでは接戦の末、ジョシュ・シーハン(オーストラリア)に惜しくも破れた。今回のイベントは、オリンピック・パークの湖上に浮かべられた前代未聞のFMXトラックで、1万8,000人の熱狂的な観衆が見守る中行われた。Double Backflip、Flair、Double Grab Backflipをそれぞれパーフェクトにきめ、ライダーとしてのキャリア上2番目の、そして2011年以来初めての勝利を手中に収めたシーハン。ドイツの観衆は彼の足下にひれ伏し、その神業的なパフォーマンスの魅力に酔いしれた。
今回優勝したシーハンが100ポイントをゲットし、現在ランキング首位のリーバイ・シャーウッド(ニュージーランド)との差が僅か5ポイントに縮んだことで、8月23日に南アフリカのプレトリアで開かれる最終戦を前に、Red Bull X-Fightersチャンピオンのタイトルをめぐる戦いは接戦へと様変わりした。今ワールドツアーを265ポイントでリードするシャーウッドを、シーハンが260ポイントで追撃する。今回2位の東野は80ポイントを獲得し、7位から5位へと浮上した。金曜日のトレーニングで東野のバイクが水中へとクラッシュしたが、これは印象的に残る出来事だった。
「ウォータージャンプへとバイクを走らせながら足下のギアを見た。そして目を上げると、ラインを外れたのが見え、思わず『しまった』と思ったよ。」東野はコメントを続けた。「ランディングランプに着くと同時に、マシーンが水に沈んで行くのがスローモーションで見え、また『しまった』と思った。ラッキーなことに腕利きの整備工がいて、今日のためにマシーンを整備してくれたんだ。彼には本当に感謝してもしきれないよ。」
地元ドイツのヒーロー、ルーク・アッカーマンは弱冠16歳の若手だが、Red Bull X-Fighters初参加でいきなり4位に食い込み、絵のように美しい湖畔から熱い声援を送る地元の観衆を大いに喜ばせた。ちなみに4位は、ドイツにとって過去最高の成績である。先週サッカーのワールドカップでドイツが優勝した後のお祭り気分がこれでさらに続くことはまず間違いない。
「Double Backflipをするのはちょっと怖かったよ。」260ものフロートを使って水上に浮かべられた史上初の水上FMXトラックから、見事なBackflipで水中にダイブし、勝利を祝ったシーハンは語った。
先月のマドリッド大会のファイナルでシーハンに圧勝し、総合ランキングでも3位に浮上した現チャンピオンのトーマス・パジェス(フランス)にとって、この日はほろ苦い1日となった。マドリッドで初成功したリスキーなBike Flipにトライしている最中に、空中でマシーンから身体を離してしまったからだ。パジェスは地面に激しく叩き付けられたが、100キロのマシーンが彼の頭上に落下することは間一髪で免れた。
1位 | ジョシュ・シーハン(オーストラリア) |
2位 | 東野 貴行(日本) |
3位 | リーバイ・シャーウッド(ニュージーランド) |
4位 | ルーク・アッカーマン(ドイツ) |
5位 | トーマス・パジェス(フランス) |
6位 | ダニー・トーレス(スペイン) |
7位 | ロブ・アデルバーグ(オーストラリア) |
8位 | クリントン・ムーア(オーストラリア) |
9位 | アダム・ジョーンズ(アメリカ) |
10位 | レミ・ビスワール(フランス) |
11位 | ブラディ・ウィルソン(アメリカ) |
1 | シャーウッド(265) |
2 | シーハン(260) |
3 | パジェス(190) |
4 | トーレス(185) |
5 | 東野(150) |
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