レッドブル・エックスファイターズ 大阪 2013を楽しむポイント

レッドブル・エックスファイターズ 大阪 2013を楽しむポイント

掲載日:2013年05月23日 エクストリームFMX    

文/宮本 将平

Red Bull X-Fighters
大阪ラウンドの開催が決定

Red Bull X-Fightersとは2001年にスタートした世界を舞台にしたフリースタイルモトクロスのワールドツアー(2007年にワールドツアー化)で、毎ラウンド世界中から厳選されたトップライダー12名によって繰り広げられる。そんな、Red Bull X-Fightersの一番の魅力は開催場所にある。過去にはエジプトのピラミッド前や、モスクワの赤の広場など、世界的に見ても超メジャースポットでも開催されていて、そのスケール、ライダーたちのパフォーマンスは、日本の常識では考えられないほどだ。さらに、そんなスペシャルな場所で世界のトップFMXライダーたちのガチバトルが行われるのだから、Red Bull X-Fightersがとんでもないエンターテイメントなのも容易に想像出来るだろう。

 

そして、そのRed Bull X-Fightersの2013シーズンのラウンド3に、なんと大阪が開催地に決定した。Red Bull X-Fightersは日本初開催というだけでなく、アジアでも初開催となるため世界中から注目される大会となりそうだ。2013シーズンは大阪ラウンド以外でも、メキシコシティ(メキシコ)、ドバイ(UAE)、グレンヘレン(アメリカ)、マドリッド(スペイン)、プレトリア(南アフリカ)での開催が決まっていて、すでにメキシコシティ、ドバイ、グレンヘレンの3ラウンドが終了している。現在は開幕戦メキシコラウンドウィナー、トム・パジェス(フランス)がランキングでもトップに立っていて、彼ももちろん大阪ラウンドへのエントリーが決まっている他、大阪出身で現在はカリフォルニア在住のトップFMXライダー、東野貴行の招待が決まっている。日本ではあまり知られていないが、彼は昨年(2012)、今年と2年連続でX-GAMES MOTO-X FREESTYLE部門ゴールドメダルを獲得、誰もが認める世界ナンバーワンのライダーで、その彼が凱旋帰国して参戦するRed Bull X-Fighters OSAKAは、ますます面白い大会となりそうだ。また、彼の他にも開催国ライダー枠がわずか1枠だが設けられていて、本番前の日本人予選には鈴木 大助、釘村 孝太、加賀 真一、渡辺 元樹、鈴木 耕太という5名のライダーのエントリーが決まっている。

 

競技の説明

Red Bull X-Fightersは【毎ラウンド世界各国から12名のトップライダーが招集】される。その内の6名は昨年のランキングトップ6がシードライダーとして選出されるため、残りの6枠を、大会側の招待や開催国枠などで選出し、合計12名が各ラウンドにエントリー。

 

大会フォーマットとしては、まず前日や本番当日の日中に行われる予選ラウンド、【90秒のランを2本】走り、【高得点を出したトップ7がクォーターファイナルへと進む】(高得点だった方のランの得点を採用)。惜しくもトップ7に入る事の出来なかった8~12位のライダーは、クォーターファイナルにエントリーするための残りの1枠をかけてフリップ(回転)トリック以外の6トリックで競うラウンド1を戦い、そこでの勝者がクォーターファイナルへと進む事となり、これで【クォーターファイナルにエントリーする8名が確定】する。

 

クォーターファイナルからは【75秒間のラン】というレギュレーションで、ここからは【バックフリップも解禁】となる。採点方法も点数制ではなく、【ヘッドトゥヘッドの5つの観点】(バリエーション、難易度、スタイル、コースの使い方、エナジー)で、各観点での勝者には1ポイントが与えられる。そして5つの観点の過半数である【3ポイントを獲得した4ライダーがセミファイナルへと進む】事が出来る。セミファイナルでも、クォーターファイナルと同様に3ポイントを獲得したライダーがファイナルへと進む事ができるが、ここからは【ランの時間が90秒】となるため、すでにクォータファイナルを戦っているライダーにとっては体力的にもキツくなってくる。

 

そして、セミファイナルで勝ち上がってきた2名のライダーによって【75秒間のファイナル】が行われ、そこでの勝者がそのラウンドの優勝者となると同時に、100ポイントを獲得。最終的に、2013シーズンは全5ラウンドの合計獲得ポイントの最も多いライダーが、シリーズチャンピオンとなる。

 

<競技ディレクター、テス・セウェル氏によるルール説明の映像>

 

高難易度のトリックを連発すれば勝てる訳ではない

フリースタイルモトクロスにはたくさんのトリックがあり、その種類は思いつくだけでもざっと50以上はあるだろう。もちろんそのトリックの中にも難易度の高い低いもあるが、Red Bull X-Fighters必ずしも難易度の高いトリックばかりを見せる事が優勝につながる訳ではない。グラブ系トリックやバートリック、フリップ系などをバランス良く組み合わせる事が重要であり、難易度の高いバックフリップばかりを繰り返していても高得点は期待出来ないのが、このコンテストの面白いところ。

 

ライダーたちもそれぞれ、制限時間内で走りきれるベストのラインやルーティンを考えてランをするため、オリジナリティも重要なポイントになり、ライダーたちは決してイチかバチかで飛んでる訳ではない。この辺りのちょっと深いライダーの作戦などを気にしながらRed Bull X-Fightersを観戦するのも面白い。

 

また、お気に入りのライダーを見つけて、そのライダーを応援するのも楽しみ方の1つである。すでに開催まで2週間を切っているが、ぜひ会場に足を運んで世界のトップFMXライダーたちの生のパフォーマンスを楽しんでもらいたい。

 

ここではRed Bull X-Fightersのアウトラインをさらっと紹介したが、もちろんそれですべてを紹介するのは難しい。さらにRed Bull X-Fightersの事を知りたい読者の方は、FMXフリーマガジン「BANZAImagazine」X-Fighters Edition デジタル版 に、より詳しい内容が掲載されているので、そちらをご覧いただきたい。

 

また、このイベントの詳しい情報は公式ページ をチェックだ。

 

宮本 将平
プロフィール
宮本 将平

WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。

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