
写真・文/Red Bull Content Pool
今シーズン遅いスタートをきったRed Bull X-Fighters現ワールドチャンピオンのトム・パジェスが、2014年の6月28日、マドリードのラスベンタス闘牛場で文句なしの見事なカムバックを果たした。東野 貴行選手のユニークな「Taka Roll」を筆頭に、ワールドツアー史上今だかつてないほどベストトリックが続出した今大会。その壮絶なバトルを勝ち抜くために、パジェスには歴史に残るベストパフォーマンスが要求された。パジェスは「Bike Flip」を大会で初めて決め、その難業を見事にやってのけた。
マドリード(スペイン)-トム・パジェスはホットとクールの両面を備えたライダーだ。しかし、Red Bull X-Fighters(レッドブル・エックスファイターズ)連続13回目の開催となったマドリードで優勝を決めるために、今夜という今夜は徹底的に「熱く」ならねばならなかった。世界で最も権威あるフリースタイルモトクロスのシリーズで誰もが成功を待ちわびていた「Bike Flip」を決め、パジェスは表彰台の最上段をゲット、世界ベストライダー中のベストライダーとして君臨することに成功した。日本の東野 貴行選手も5位に食い込んだ。「Rock-Solid Backflip」や「Mini-Flip」など、まだ数名のライダーしかマスターしていない革新的なトリックを披露した東野選手に、会場からは割れんばかりの大歓声が送られた。ちなみに「Mini-Flip」はかわいいネーミングだが、非常に難度の高い技のひとつに数えられる。
2位と3位にはジョシュ・シーハン(オーストラリア)とリーバイ・シャーウッド(ニュージーランド)が続いた。両者ともに他の大会ならば間違いなく優勝したであろう抜群のパフォーマンスで、勝者パジェスにひけを取らないランを見せた。シーハンはまれな「Double-backflips 」を3度も決めて観衆をうならせた。その一方で、シャーウッドも新トリック「Rowedova Flip」を披露した。
23,000席を擁する巨大なラスベンタス闘牛場が満席となったこの夜。駆けつけたファンたちは牛追い祭りとして知られるサン・フェルミン祭りのトレードマークである赤と白を身にまとい、会場は熱狂的な雰囲気に包まれた。優勝のトロフィーを握りしめ、パジェスはこうコメントした。「本当に幸せな気持ちです。今日のランはどれもが絶品のムーブばかりで、どのトリックもベストトリックになりうる、まさにベストトリック続出の大会でした。」
ユニークなトリック「Taka Roll」で、この夜のもう一つのハイライトとなった東野選手だが、残念なことに表彰台は逃す結果となった。それにも関わらず、東野は笑みを浮かべながら、「マドリッドに来ることは僕にとって特別な意味を持っています。子供の頃、テレビでラスベンタスを舞台にしたコンテストを目にしました。だから僕にとってラスベンタスといえばすなわち『Red Bull X-Fighters』なんです。」と語った。
2012年度ワールドチャンピオンで、今シリーズですでに2連勝を果たしているシャーウッド、そして今回カムバックを果たした2013年度ワールドチャンピオンのトム・パジェス。今シリーズのタイトルをめぐる戦いは白熱する一方だ。次のバトルは2014年7月19日にミュンヘン(ドイツ)で開催予定。FMX史上初めて、湖上に浮かぶフルトラックが戦いの舞台となる。
1位 | トム・パジェス(フランス) |
2位 | ジョシュ・シーハン(オーストラリア) |
3位 | リーバイ・シャーウッド(ニュージーランド) |
4位 | ダニー・トーレス(スペイン) |
5位 | 東野 貴行(日本) |
6位 | マイケル・メレロ(スペイン) |
7位 | クリントン・ムーア(オーストラリア) |
8位 | マット・レボー(スイス) |
9位 | ロブ・アデルバーグ(オーストラリア) |
10位 | リボー・ポドモル(チェコ) |
11位 | レミ・ビスワール(フランス) |
12位 | デビット・リナルド(フランス) |
1位 | シャーウッド(200) |
2位 | シーハン(160) |
3位 | パジェス(145) |
4位 | トーレス(130) |
5位 | ビスワール(95) |
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