掲載日:2015年06月26日 週刊メンテナンス講座
記事提供/モトメンテナンス編集部(※この記事はモトメンテナンス102号に掲載された内容を再編集したものです)
つづいてベベルドライブシャフトを組付けるが、シャフトカバーの両端にOリングが2つずつ入るので新品交換する。ベベルドライブシャフトのギア部には、ゾイルスプレーを吹いておいた。
ギアを噛み合わせてベベルドライブシャフトを挿入する。シャフトはスプリングの入る方が上側で、その外側のパイプは線が入る方が上。そのさらに外側のシャフトカバーは下げておく。
続いてヘッドの組み付けを行なう。ヘッドガスケットは後ろ側の「1」の数字が読める方が上になる。さらにシリンダーとヘッドの間にはノックピンが2ヶ所に入るので、忘れずにセットする。
先に新品ガスケットを使用して、ヘッドにエアサクションバルブのキャップを付けておく。ちなみにここに登場するW650は初期型なので、エアサクションバルブは機能していない。
ヘッドにはカム側ドライブベベルギアケースユニットを組付ける。実はユニットのベアリングにゴロゴロ感が出ていたのだが、交換には高額な特工が必要だったため、断腸の思いで交換を見送った。
今回はゾイルスプレーを吹いて、組付けた。歯面も荒れが見られたので、ベベルギアも交換したいところだ。ユニットにもOリングが入るので新品交換し、ソケットを使って手締めで挿入していく。
ベベルギアケースユニットは、ベベルギアケースのロックナットからネジ山部分の露出が1.5mmになるまで締めこむ。ここでユニットを入れすぎると、ベベルギアがせって、カムホルダーが締まらない。
ベベルドライブシャフトのギアを合わせつつ、オイルパイプにも気を配りながらヘッドを載せる。しかし、この時点ではノックピンまで入れずに、必ず軽く浮かせた状態に留めておく。
シリンダーヘッドボルトの銅ガスケットは新品交換した。余裕があるならボルト自体も交換したい。再びエンジン分解する時のため、耐熱性の高いコパスリップでネジ山の焼付き防止処置をしておく。
長いシリンダーヘッドボルトの中4本はフレームが邪魔して真っ直ぐ入れることができない。そのため、ヘッドを斜めにしながら挿入する。中4本が入ったら、ヘッドとシリンダーをピッタリ合わせる。
ヘッドボルトは、ヘッド刻印の数字順に締付ける。まず仮締めトルク25Nmをすべてのボルトにかけた後、既使用ボルトは47Nmで、新品ボルトは49Nmで本締めする。トルク管理を徹底して行ないたい部分だ。
続いてカムを組付けるが、その前にベアリングに注油しておく。今回はカムにWPC処理を行なおうと目論んでいたが、ベアリングを外すのが困難だったため、そのまま使用することにした。
カムを載せる前は、ジャーナル部分を綺麗なウェスで拭っておく。鉄粉や砂利が乗ったまま組みつけてしまうと、カムの動きが悪化するばかりでなく、最悪ヘッド交換にもなりかねない。
カムシャフトの位置は、ベベルギアホルダの切り欠きがシリンダーヘッドの上面とツラ位置になるのが正解。位置がずれればバルブタイミングが狂ってしまうので、確認しながら作業を進める。
カムシャフトの位置が合っていれば、カムシャフトのベベルギア固定ボルト2本がヘッド端面と水平になるはず。先の切り欠きと同様、こちらも念のため確認しておくと良いだろう。
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