ユーザー車検

【CHAPTER 1-1】車検前の事前点検

掲載日:2009年06月10日 ユーザー車検    

エンジン点検編

道路運送車両法が定めた定期点検項目によれば、エンジン周りの点検項目は1.点火装置、2.エンジン本体、3.潤滑装置、4.燃料装置、5.冷却装置、6.エキゾーストパイプ及びマフラーの6項目となる。ただし冷却装置など、対象エンジンによっては該当しないものは、当然除外される。

さて、エンジン周りで特に注意したいのは、液体関係のにじみや漏れのチェックだ。燃料コックやキャプからのガソリン漏れや、エンジンオイルや冷却水のにじみや漏れは、外観検査でも注目されやすいポイントである。走行中に僅かにオイルがにじむ“クセ”が分かっている場合、検査前にきれいにふき取っておこう。また、点検は怠りなく実施していても、あまりに汚い状態では作業の有無を疑われかねないから、洗車ぐらいはしておきたい。

プラグの確認は日常点検の基本
コードなども合わせて点検しよう

プラグの焼けがどうだとか、プラグコードが社外品であるとか、検査ではそういった点は全く問われない。さらにトランジスタ点火やCDI点火など、無接点式の点火系が当たり前になっている現在、点火時期の点検など該当しないものも多い。だがメンテ好きを自認するサンメカなら、プラグのコンディションは見ておきたい。プラグは走行距離によって性能が低下するパーツだから、ともすれば電極の磨耗に気づくかもしれない。またプラグと共にプラグキャップやコードも確認しよう。特に最近の水冷車のような、プラグホールの深いエンジンでは、水抜けの悪さが火花リークの原因となる場合があるので確認しておこう。

タンクの着脱が頻繁な車両は
ホースの劣化に注意

燃料装置で意外な盲点なのが燃料ホース。タンクまで頻繁に外す洗車好きの中には、差し込み部分が劣化して、ガソリンが少しずつにじむものもある。エンジンを掛けた状態でコック周りを観察しよう。

4連のキャブになるとスロットルワイヤーの遊び調整用ナットを回すのが面倒な機種もあるが、リンク周りの作動点検と合わせて適正な遊び量になるよう調整しておく。

スロットルワイヤーの遊びは、主調整をキャブ側で行い、ハンドル側で微調整を行う。引きと戻りで2本のワイヤーがある機種は、スムーズな動きを阻害しないこと。

暖機が終わった状態で、スロットルストップスクリューを調整してアイドリング回転数を規定値に合わせる。ドレンボルトやフローとチャンバーの合わせ面からのガソリンにじみを除去する。

エアクリーナーエレメントは色で判断
取り付け方向にも注意しよう

エアクリーナーエレメントは、走行距離に応じて交換や洗浄を行う。しかし走行距離が少なくても、長く装着したものでは本来の濾過能力を発揮できない場合もある。エレメントを外した際には、エアクリーナーボックス内部の汚れも拭き取り、オイルが大量に付着しているときはエンジン側の不調を疑おう。

エンジンまわりの点検のついでに
オイルの汚れ、にじみは徹底洗浄

エンジンオイルの量や汚れは、バイク好きならば改めて車検時にチェックしなくても良いはずだ。だが汚れに関してあまり気にしていなかったサンメカも、この際だから少々念入りに洗浄してみるのも良いだろう。エンジン本体だけでなく、オイルクーラーの取り出し部などのオイル汚れも洗浄する。

手のひらや薄紙をかざして判断
排気漏れは1度緩めて締め直す

マフラー交換を行っているバイクの場合、取り付け時の作業方法によっては排気ガスが漏れていることもある。これはアイドリング状態でエキパイ近くに手のひらや薄紙をかざして判断できる。排気漏れが確認されたら、ガスケットを交換して先にエキパイ部を締め、次にステー部分を締めるようにすると良い。

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