ブレーキキャリパーのオーバーホール編

掲載日:2009年06月23日 部位別メンテナンスブレーキ&ホイール    

メンテナンス講座

制動力やタッチがいまひとつ
こんなときはキャリパーのオーバーホール

パッドを交換したのに制動力やタッチがいまひとつ。こんな経験はないだろうか。こんなときは思い切ってキャリパーのオーバーホールにチャレンジしてみよう。キャリパーを外し、ピストンをメンテナンスしたりシール交換することによって、新車時のような良好なタッチと制動力を取り戻すことができるのだ。ただし、安全にかかわるブレーキは重要な部分。自信がない場合や手順が分からない場合はプロの手にゆだねよう。

作業手順を見てみよう!

キャリパーの本格的なオーバーホール作業の手順を紹介しよう。キャリパーピストンツールでピストンを掴んだら、ピストン本体をこじらず、円周方向に少しずつ回しながら引き抜く。

キャリパーの本格的なオーバーホール作業の手順を紹介しよう。キャリパーピストンツールでピストンを掴んだら、ピストン本体をこじらず、円周方向に少しずつ回しながら引き抜く。

 

ゴムのシールがピストンに食い付いて回しづらい時は、キャリパーとピストンの隙間に、潤滑剤代わりに僅かなブレーキフルードを垂らす。メタルラバーのような金属・ゴム潤滑剤を使っても良い。

ゴムのシールがピストンに食い付いて回しづらい時は、キャリパーとピストンの隙間に、潤滑剤代わりに僅かなブレーキフルードを垂らす。メタルラバーのような金属・ゴム潤滑剤を使っても良い。

 

コンプレッサーのエアでピストンを発射すると、飛び出す瞬間が危険。また一方は抜けるがもう片方が抜けないこともある。専用ツールを使えば、ピストンが腐食して固着していない限り確実に抜ける。

コンプレッサーのエアでピストンを発射すると、飛び出す瞬間が危険。また一方は抜けるがもう片方が抜けないこともある。専用ツールを使えば、ピストンが腐食して固着していない限り確実に抜ける。

 

外したピストンは汚れを落とすと同時に、ピカールなどの液状研磨剤で磨いてツルツルにしておく。ピストン取り外し時にプライヤーで外側からつかむと、キズが付くので絶対にやってはいけない。

外したピストンは汚れを落とすと同時に、ピカールなどの液状研磨剤で磨いてツルツルにしておく。ピストン取り外し時にプライヤーで外側からつかむと、キズが付くので絶対にやってはいけない。

 

オイルシールとダストシールは再使用不可のパーツなので、外す際は部品を確保した上で行う。いずれにせよ、キャリパーのシリンダー内壁をクリーニングする際には外さなくてはならない。

オイルシールとダストシールは再使用不可のパーツなので、外す際は部品を確保した上で行う。いずれにせよ、キャリパーのシリンダー内壁をクリーニングする際には外さなくてはならない。

 

オイルシール、ピストンシールをセットするシール溝に溜まった、固形化したフルードのカスなどはエッジの鋭いツールでこすり落とす。ただし溝の内部を傷つけないように気を付ける。

オイルシール、ピストンシールをセットするシール溝に溜まった、固形化したフルードのカスなどはエッジの鋭いツールでこすり落とす。ただし溝の内部を傷つけないように気を付ける。

 

汚れたフルードやカスを洗い流したら、新しいシールをセットする。オイルシールとダストシールではデザインが異なるので、間違えないように注意。また、セット前にフルードを薄く塗っておく。

汚れたフルードやカスを洗い流したら、新しいシールをセットする。オイルシールとダストシールではデザインが異なるので、間違えないように注意。また、セット前にフルードを薄く塗っておく。

 

磨いたピストンの外周にブレーキフルード、あるいはメタルラバーを吹きつけてキャリパーにセットする。メタルラバーはブレーキフルードに吸収されるので、悪影響はない。

磨いたピストンの外周にブレーキフルード、あるいはメタルラバーを吹きつけてキャリパーにセットする。メタルラバーはブレーキフルードに吸収されるので、悪影響はない。

 

キャリパーにセットしたピストンを、まっすぐに挿入する。ピストンとシールの潤滑が十分なら、指でスッと入るはず。ピストンに押されてシールが傾くと完全に止まるので、無理して押し込まないこと。

キャリパーにセットしたピストンを、まっすぐに挿入する。ピストンとシールの潤滑が十分なら、指でスッと入るはず。ピストンに押されてシールが傾くと完全に止まるので、無理して押し込まないこと。

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