掲載日:2010年05月31日 部位別メンテナンス › 外装系
シートメタルの破片1枚、ピンポンチ、バイス&ハンマーで
ニーグリップラバープレートの「叩き出し製作」に挑戦
タンク本体のサビを取り除くため、溶接部分から剥ぎ取ったニーグリップラバープレート。
ボロボロのオリジナルパーツに代わって、いよいよ一品もののプレートの叩き出しに挑戦。プレスパーツというと、本格的なジグや油圧プレスなどが必要と思われるが、パーツの形状や役割によっては想像以上にシンプルな道具と手順で、機能的に十分満足できるパーツが製作できるのだ。
作業手順を見てみよう!
金切りばさみの使用方法のおさらい。ちょっと厚物の板を切ると、まっすぐ切れないし手も疲れる。だから柄の一方をバイスで挟み、もう一方の手で断裁機を使うように押すのが基本。 | 手近にあった厚さ0.6㎜のシートメタルに、先に撤去したニーグリップラバープレートの外周を写し取る。最終的なサイズ調整の余白を取るために、ひとまわり大きめに採寸する。 | STEP1で示したようにバイスで金切りばさみを固定し、右手で柄を押しながら左手でシートメタルをコントロールする。外寸を切り出したら、内部の穴をくり抜く。 |
プレートで段差を作る際は、曲げ部分の裏に厚めの鉄板(おそらく建築材料系)を当てて、そこに向けてポンチを打つ。鋭角なエッジ部分は、2枚の板を組み合わせて角を作る。 | プレートの内側に向け、全周にわたって段差を付ける。材料が薄いシートメタルなので、ひび割れることなく成型できた。ただ、ポンチで叩いているのでプレスラインはガタガタだ。 | プレス部分のエッジをはっきり出すために、適当な金具をバイスで挟み、段差部分をポンチで叩く。この手法を応用すれば、さまざまなパーツが作り出せそうだ。 |
直線部分はストレート部分が生かせる金具を用いる。21ページで「ホームセンターに行くとワケの分からないものを買ってしまう」と書いたが、こういうときに役立つ。 | カーブ部分は、これまた建築材料の中から適当なパーツを選んでプレスする。完成したらニーグリップラバーの下側に入ってしまうから、これらの作業は自己満足でしかないのだが。 | 簡易プレス(と呼んで良いのかどうかというほどの適当な手段)で形状を叩き出したら、オリジナルパーツに合わせて外寸をベルトサンダーで整える。ゴールはもうすぐだ。 |
先に成形したタンク側面への張り付けは、やはりエポフィラーを接着剤代わりにする。エポフィラーの回り込みを良くするために、プレート内周に適当に穴を空ける。 | これでパーツとしてのニーグリップラバープレートが完成。タンク側面に合わせるためには、接着部分を僅かに湾曲させなくてはならないが、それはタンクに合わせながら調整する。 | ここまでの鈑金作業で用いた工具や道具。ここにバイスが加われば、かなりバリエーション豊かな工作が可能になる。大切なのは“これでできるかも”という発想力と行動力だ。 |
タンク右側のプレート位置を参考に、取り付け位置を決めたら、接合面の全面にエポフィラーを塗る。これで合わせ面の隙間が無くなり、この部分からの腐食が防げる。 | タンク側面の所定の位置に押しつけたら、コーキングのように隙間に押し込む。最終的にはニーグリップラバーの下に隠れるが、ここまできたらキレイに決めてやろう。 | 先に空けた穴を覆い隠すようにエポフィラーを盛る。ここで塗ったパテが下に塗ったパテと結びつき、硬化後にリベットのような効果でがっちり食い付いて剥がれなくなる。 |
さらに完成に1ステップ近づいたガソリンタンク。これでガソリン漏れの心配はなくなったので、凸凹に錆びたガソリンコック付近をパテで成形すれば、機能も見た目も復活だ。もっと大きな穴が空いてしまった場合は、薄い鉄板とエポフィラーを併用して塞ぐことを考えよう。ここでプレートを製作した工程を見てもらえば、サンメカがタンクを塞ぐ程度のパーツを鈑金することが無理だとは、一概には言えない。 | 前回の写真と比較すれば、コンディションは格段に良くなっていることは明らか。後付けパーツであることは一目瞭然だが、ここまで仕上げられればDIY鈑金作業として大満足だ。 |
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