【vol.01】ライディングポジション編

掲載日:2008年12月15日 日常メンテナンス    

日常メンテナンス

あなたのそのポジション
本当に合っていますか?

ノーマルの状態のバイクは、できるだけ多くの人に合ったポジションになるよう開発がされています。個性を売りにしている一部のバイクを除けば、多くの人が快適に、楽しくライディングできることが重要になってくるからです。ただし、そのポジションはライダーの平均値に合わせて開発されています。身長や手足の長さによっては、ポジションが合っていないライダーも多いのです。「ポジションに何か違和感があるなぁ…。でも、ノーマルだから合っていないわけはないし…」と感じている人はいませんか? ひょっとするとそのポジション、本当に合っていないのかもしれません。そんな人のために自分に合ったポジション選びについてご紹介いたしましょう。

まずはポジションチェックと
普段の走行環境の確認から

自分に合ったポジション選びで調整するのはまずハンドル、シート、ステップから。その後に左右のレバーやシフト&ブレーキペダルの角度を調整し、快適なポジションが得られます。しかし、ここで気をつけたいのは、全体のバランスを考えて調整することです。例えば、「膝が窮屈だから」とシート高を上げ他はそのままだと、ハンドルの前傾がきつくなり、次は腰が疲れやすくなってしまう、そんな結果になりかねません。そこでポジション調整の際に確認しておきたいのが…

1 ハンドルは遠いのか、近いのか、調度いいのか
2 ひざの曲がりは窮屈か
3 足つきの良さはどうか
4 各種レバー、ペダル類の操作感はどうか

この4点を確認してから、ポジション調整を行ってください。それによって、調整、交換するパーツが決まってきます。しっかりとイメージを固めてから作業を行えば、無駄なお金を使ってしまうこともないでしょう。シート高が上がれば前傾はきつくなり、アンコ抜きなどでシート高が低くなればハンドルポジションは高く、ゆったりとしたものになります。

また、フットポジションをバックステップなどに交換すれば、前傾姿勢は少々きつくなります。前傾がきついと「疲れそう…」と思うかもしれませんが、高速走行が多いライダーだとむしろ快適になる場合もあります。前傾姿勢はノロノロ運転だとつらいかもしれませんが、走行風を受けて走る高速走行時はそれほどつらいものではないのです。このように、「普段どのような走り方をしているのか」のでも、どうポジション調整を行うのかが変わってくることを覚えておいてください。

サンプル車両による
ポジションチェック

それでは実際のユーザーを例に具体的なポジション調整について見てみましょう。サンプル車両はスズキの水冷バイク「Bandit1250」。このバイクに身長190cmと158cmのスタッフに跨ってもらいました。

かなり大型の車両なのに身長190cmの彼が乗ると車両が小さく見え、それはポジションにも影響しています。手足の長い彼にはハンドルが近すぎ体はほぼ直立に、これではフロントに荷重がかけられず、ブレーキングにも影響が出てくるでしょう。また、シート高も低すぎて膝が窮屈そうです。足の踏ん張りができず、下半身での車両コントロールがしづらくなっています。手足に余裕のある彼の場合、ハンドルを低く遠いモノ、シート高も高くすれば快適なポジションが得られるでしょう。

身長158cmの彼女の場合は前述の彼とは逆に、あらゆるポジションが遠くなってしまいました。上半身をかなり前傾させなければハンドルが遠く、これではロングツーリングが少し辛そう。ハンドルを切ると外側の腕が伸びきってしまい、快適さ以前にハンドル操作にも影響が出てしまいます。次にフットポジションについて。ステップ位置はいいのですが、足のサイズが小さく、ペダルが少し遠いようです。また、つま先しか足がつかないのが不安なため、シートのアンコ抜きをするのもいいかもしれません。

自分のバイクと相談して
理想のポジションを手に入れよう

このように、乗り手によって理想のポジションは大きく違ってきます。長く快適に愛車を楽しみたいのであれば、乗り手がバイクに合わせて無理をする必要はありません。バイクを自分に合わせ、快適なポジションを手に入れてみてはいかがでしょうか。自分に合ったポジションはただ快適なだけではありません。スポーツライディングの際にも、バイクをうまく操ることができ、走る楽しさもきっと向上することでしょう。ポジション調整はひとまずノーマルパーツの調整から試してみてください。ハンドルの高さ調整や、シートのアンコ抜き・アンコ盛り、レバー・ペダル類の調整をまず試してみる方がコストは安く尽きます。それでもどうしようもないときは、リプレイスパーツへの換装を検討してみてください。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索