原チャでchacha茶

後編:超っ~アツイ! 開業直前のスカイツリー周辺巡り(東京・墨田区)

掲載日:2012年04月27日 原付漫遊記原チャでchacha茶    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之

おみやげやグルメなど、楽しみもいろいろ
そんな喧騒を離れ、コーヒーを楽しむ

さて、遠目からのスカイツリーを十分堪能したあとは、いよいよ近くに迫ってみることにした。東武鉄道の旧業平駅から、ずばり「とうきょうスカイツリー駅」に変更されたばかりの場所にマシンを走らせてみたら、着いてびっくり。開業前の平日の昼間にもかかわらず、まるでお祭りのように人がたくさん出ている。人気アイドルのファンが何万人もいるように、当たり前だがスカイツリーにほれ込んだのは僕だけではなかったのだ。現地ではほとんどの人がケータイで、あるいはデジカメで、まるで何かにとりつかれたかのように、一心不乱に上を向いてツリーの姿を写真に収めている。その姿はちょっとこっけいではあるけれど、実際その場に身を置いてみると、気持ちはすご~くよくわかる。間近から見上げるスカイツリーは、とにかく迫力と存在感が圧倒的でハンパじゃない。しかも末広がりに踏ん張っている感じの東京タワーと違い、地面近くと上のほうの太さがあまり変わらず、ローソクのような形状と鉄骨の集合体である構造がまるで工芸品のように美しく、ついつい見とれてしまう。で、当然のように写真に撮りたくなるんである。

ちなみにツリーの先端までを人物と一緒に撮ろうと思うと、撮影者が地面に寝転ぶか超広角レンズを使うしかなく、フツーのカメラや携帯では無理がある。そのため、ボランティアでカーブミラーを準備して使わせてくれる、もはやこの界隈では有名人となった「ミラーおじさん」もいて、にぎわいに味を添えている。

にぎわいといえば、ツリーのたもとにある土産物店の混雑ぶりがすごかった。携帯ストラップやボールペンをはじめ、模型やハンカチ、お菓子などありとあらゆる種類のスカイツリー公認グッズがすでにいくつもあって、人気にあやかろうとする人の多さというか、経済波及効果が目で見てわかる。その裏には「何とか頼みますよ、スカイツリー様っ」という、商売人の切実な願いも透けて見える気がして、ちょっと切なくもある。けれど、せっかく見に来たんだから何か買って帰ろう、という人も多いから、そのニーズにうまく応えていて、バランスがいいな、という気もするんだよね。ツリーが開業すると、中のショップで買っちゃう人が増えるかもしれないけど、こういう小さな土産物屋さんにも頑張ってほしいなぁ、と個人的には思うのだ。

スカイツリーの周囲を歩いてみてもうひとつ実感したのが、「スカイツリーあやかりグルメ」がやたら多いこと。パフェやワッフルなどその形を模したものから、天丼のエビを立てただけ? のものまで多種多様。全部は食べきれないにしても、味や開発の苦労を想像しながらいろいろなタワーグルメを探し歩くのも、きっと楽しいはず。

ツリーの近くで記念撮影しようとすると、こんな妙な撮り方になっちゃったりして。とにかくデカくて先端まで写すのが大変

ツリーの根元では老若男女、とにかくみんながカメラでツリーを撮ってます。つい見上げるから首が痛くなる街でもあるな

左上/ツリー近くの土産物店には公認グッズがいっぱい。多すぎて迷うね~ 右上/ガチャピンよ、お前もか…… 左下/ツリーの形を模した水。chacha茶としては高いけど買うしかないでしょコレ 右下/この地区のイメージキャラ「おしなりくん」グッズもがんばってます

混雑するツリー周辺でも、常に人だかりができているのが「カーブミラーおじさん」。撮り方まで指南してくれる。で、撮った写真がコレ。見事に先端まで入ってます

左上/スカイツリーにはバイク用駐車場もある模様。開業後に確認してね 右上/その名も「スカイツリー前分室」。読売新聞さん、気合い入ってますね 左下/周辺ではあちこちで歩道や公園の整備が急ピッチで進められている 右下/エビ天を立てただけ、なのか?(笑)

「まだまだやれるぞニッポン」と、
その存在で語るスカイツリーに乾杯!

そんな中で僕がいいぞ、と思ったのは、本所吾妻橋駅そばにある焼肉の大東縁さんで出している『キムチャンタワー』。メインの食材はキムチチャーハンだけど、土台に大根の輪切りを大胆に使用、展望台部分にはアイスのコーンを使うなどして、ツリーの再現性がかなり高い。味もおいしくてボリュームもある割に1,050円というお手頃価格、そして大根はあとでサラダにして供してくれるという工夫が、単にツリーにあやかっただけでない、客へのあたたかい気持ちを感じさせてくれて高ポイントだったのだ。どうせ観光地だから、と身構えていた心を解きほぐしてくれるようなこういうお店に当たると、それだけで幸せな気分になれるよね。

お腹を満たした後は、アクシスを駆って再び隅田川を渡り、隅田公園へと戻ってきた。ここで、川越しにスカイツリーを見ながら「お茶」タイムを楽しむとしよう。今回はスターバックスのVIAというスティックタイプのコーヒーと、ステンレスマグに入れた氷を持参。ツリー脇の土産物店で買った、スカイツリー型ボトルのミネラルウォーターで、アイスコーヒーを作ってみた。

春の風が頬を優しくなでる中、穏やかな川面の向こうには、天高くそびえるスカイツリーの姿。それを見ながらゆっくりとアイスコーヒーを飲むなんて、なんという贅沢なんだろう。ほんのちょっと離れただけなのに、ツリーの近くで繰り広げられていた、人々の作り出した熱気と喧騒がうそのように静かだ。

あらためて思い起こせば、地震や不景気など、最近の日本には何かと暗い話題が多かった。そんな中でスカイツリーの完成は、日本人の底力を示す希望のともしびなのかもしれない。「まだまだやれるぞ、ニッポン」。夢と希望の象徴ともいえるスカイツリーに、みんな元気とパワーをもらいに来ているんじゃないだろうか……今回のお散歩ツーリングを振り返ったとき、そんな思いが胸をよぎるのだった。次は、ぜひ展望台に登りに来よう!!

原付で走れば、都内だって立派なツーリングコース。次回はどこで「chacha茶♪」しようかな!?

「大東縁」のキムチャンタワーは見た目のインパクトと再現性がすごい! これで1,050円はお得。中にはストローの「心柱」が入っている。食べるときは上からチャーハンを引き抜くのだ~

スカイツリー型ボトルの水を使って、ツリーを見ながらお茶タイム!! そしてついつい、こんなお土産も買っちゃったのだ

「俺とお前と、スカイツリー♪」的な構図。高さ634mと対峙して飲むアイスコーヒーは格別の味!!

今回のマシン
【ヤマハ アクシストリート】……プチインプレ

125ccなのに50ccクラスとそれほど違わない車格は、混雑する都市部を走り回るのに気疲れしないジャストサイズ。それでいてスタートダッシュもパワフルだから、都内をあちこち走り回ってもストレスを感じることが全くない。快適セレクションは、頻繁な乗り降りに便利なサイドスタンドや、お土産が増えても心配のない30リッターのリアボックスを装備しているから、お散歩ツーリングには最強のマシンといえるかも。

ツーリングプチ情報

■立ち寄りスポット

東京スカイツリー

東京都墨田区にある、高さ634mの電波塔。隣接する商業地域を含め、2012年5月22日に開業予定。第1展望台は地上から350m、第2展望台は450mの高さにある。

所在地/東京都墨田区押上1-1

>>公式サイトはコチラ

■食事スポット

大東縁

所在地/東京都墨田区吾妻橋2-2-5 相川ビル2F

TEL/03-3623-4129

営業時間/11~24時

定休日/無休

>>公式サイトはコチラ

HUB倶楽部
プロフィール
野岸“ねぎ”泰之
神奈川在住のフリーライター。バイクツーリング雑誌を中心に、防衛問題からデジタルグッズまで、興味の赴くままに幅広く執筆。原付バイクによる島旅も多くこなす。グッズからグルメまで、B級と名のつくものが大好物。愛車はヤマハTDM850、TT250レイド、カワサキKSRⅡ。好きな言葉は「人生は祭りだ!」。HUB倶楽部の主宰メンバーでもある

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索