【ブレイズ EVスクーター 試乗記】スタンディングが楽しい!! 公道走行可能な折りたたみ型の電動キックボード

掲載日:2021年11月01日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

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BLAZE EV SCOOTER

ここ最近、めざましい発展ぶりで多くの新製品が発売されているのが、電動バイク(EVバイク)だ。特に原付クラスはその手軽さもあって、見かけることが多くなってきた。そこで今回はBLAZE(ブレイズ)のEV SCOOTER(EVスクーター)をピックアップして実際に試乗し、その実用性や魅力を探ってみた。

ブレイズ EVスクーター 特徴

折りたたむとかなりコンパクト
幅広い使い道が期待できる

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ブレイズは愛知県名古屋市に本社を置く、先進的なEVモビリティを開発する企業。そのブレイズがリリースした最新の電動キックボード型折りたたみ電動バイクが、EVスクーターだ。パッと見たところではマイクロモビリティの電動キックボードだが、ヘッドライトやウインカー、テールランプなどの保安部品やナンバープレートを装着していることからもわかるように、公道走行が可能な原付一種扱いだ。100%電動のマシンだが、公道走行の際には原付免許とヘルメットが必要となる。乗車スタイルはキックボードのように立ち乗りしてもいいし、シートがついているので座って乗ることもできるというユニークな構造で、ハンドルやシートの高さはワンタッチで調節が可能なため、体格に合わせたセッティングができる。

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簡単にスペックを紹介すると、リチウムイオンバッテリー搭載で定格出力は0.35kw、最大出力は476W、最大トルクは20.9nmとなっている。最高速度は30km/hで、満充電で航続距離は35km(30km/hでの定地走行テスト値)だ。フル充電までに要する時間は約3.5時間で、家庭用のAC100Vコンセントで充電できる。1回にかかる電気代は約13円とのこと。タイヤはフロント、リアともに10インチで、前後に機械式のディスクブレーキを装備している。ちなみに本体はIP54、配線はIP67という防水性能を有している。価格は14万9600円(税込)となっている。

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このEVスクーターの最大の特徴はコンパクトな車体で、さらにそれが折りたためることだろう。折りたたみ作業に工具は一切不要で、シートポストを倒し、ハンドルをたたんでハンドルポストを倒すだけという、非常に簡単な工程となっている。折りたたんだ際の大きさは、バインディング付きのスノーボードを2つ重ねたぐらいの容積だろうか。かなりコンパクトになるので、乗用車のトランクや軽自動車の後部座席などにも収まりそうだ。車体下部にローラーがついているので転がして運ぶこともできる。ただし、車両の総重量が24.8kgと見かけよりもかなり重いので、持ち上げる際には腰などを傷めないよう、注意が必要だ。

ブレイズ EVスクーター 試乗インプレッション

スタンディングで走っても
かなりの安定感あり

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EVスクーターを起動するには、まず車体下部側面にあるメインスイッチをオンにする。その後メーターの電源ボタンを長押しすることでメーターが点灯し、走れる状態になる。ちなみに付属のスマートキーで、セキュリティアラームのセットと解除ができる仕組みだ。走行モードはECO、MID、HIGHの3段階で、それぞれ最高速度が10、20、30km/hとなっている。ECOモードだとジリジリと進む感じでもどかしく、イベントで遅乗り競争をする用途ぐらいしか思いつかない。MIDモードはもう少しスピードが出るので、倉庫など狭めの敷地内の移動にはいいかもしれない。

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実用を考えると、実際に公道を走る際にはHIGHモードにセットすることになるだろう。乗る前に注意したいのがスロットルだ。一般的なバイクのようにグリップ全体をひねる形ではなく、グリップの根元にあるレバーを下に押すと加速する方式となっている。フットボードに片足を載せ、レバーを押すと、車体はほぼ無音のままスルスルっと滑るように前方に走り出す。

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まずは座った姿勢で乗ってみる。すると、想像していたよりかなり乗り心地がいいのにちょっと驚いた。このEVスクーターは小径タイヤながら前後に一応サスペンション機能を有しており、またサドル部分にもバネが入っているため、意外と路面からのショックを吸収してくれるようだ。最高速度はどう頑張っても30km/hしか出ず、遊園地の子供向け遊具に乗っているようなのどかさすら感じる。そこを割り切れば、案外疲れも少なく、近距離の移動手段としては悪くないかもしれない。

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続いて立ち乗りに挑戦してみた。すると、さっきまでとスピードは同じなのに、一気に爽快感とスポーティさが増し、「楽しい乗り物」へと変化した。タイヤ径が10インチと小さいので、立って乗るとフラつくかもしれないと心配していたが、フットボードの下にバッテリーを搭載しているためか重心が低く、ある程度スピードが出ていれば車体は安定しており、フラつくことはなかった。とはいうものの、スピードを緩めたり、道路の端の路面状態の悪い部分を走ったりすると、車体が振られることもあるので注意が必要だ。また、ブレーキは前後とも利きすぎるぐらいガツンとしたタッチなので、慣れるまでは慎重な操作を心がけたい。

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気になるのは坂道での走りだろう。近所にあるけっこう急な上り坂(スマホアプリでの簡易測定では11度)では、10km/hまでスピードは落ちたが止まることなく走ってくれた。11度という角度は勾配にすれば19%以上で、かなりの角度だ。ちょっとしたなだらかな坂だと20km/h程度まで落ちることはあっても普通に走れるので、まずまずの実力といった感じだ。

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実際に通勤や通学に使うとすれば、家から駅までのいわゆる「ラストワンマイル」の足にちょうどいい。幹線道路は抜かされるばかりで気苦労が多いので、住宅街の中をのんびり駅に向かえるような環境なら、うってつけの移動手段になるだろう。

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ガソリン代やエンジンオイルの交換も不要なので、非常に低コストなモビリティなのも評価できる。休日は車に積んで移動し、観光地などで走る、なんて使い方もアリだから、1台あるとあれこれ楽しめそうだ。

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ブレイズ EVスクーター 詳細写真

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ヘッドライトは小さめで、明るめの自転車用といった感じ。LEDなので昼間の被視認性は高い。

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メーターは小ぶりで、走行中は確認しづらい。バッテリーの状態や走行モード表示のほか、トリップメーターも備える。

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グリップは自転車のような形状のものを採用している。ウインカースイッチはプッシュキャンセル機能のないシンプルなものだ。

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右グリップの中央寄りにあるのがスロットルレバーで、下に押すことによって加速する。立ち乗り姿勢で長時間押し続けるのは意外と疲れる。

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ハンドルの高さはロックレバーを緩めることで、ポールごと調節できる。折りたたみ自転車によくある構造だ。

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ハンドルは折りたたみ部をカバーするリング状のパーツをスライドさせるだけで簡単にたためる仕組みとなっている。

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シートは自転車用に近いもので、サドルと呼んだほうがしっくりくる。後部にバネがあって座り心地は意外といい。

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中央のロックレバーを引くことで、ハンドルポストや前輪を含めた前側全体が折りたためる。がっしりとして剛性感のある構造だ。

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折りたたむと全体的にかなりコンパクトにまとまる。ただし総重量は24.8kgあり、見た目よりもかなり重い。

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フロアボードは十分な広さ。中央には滑り止めのザラザラしたシートが貼ってあり、安心感がある。右側はシートポストの台座で、かなり剛性感が高い。

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車体左側にはサイドスタンドを装備。小さいがスプリングも入っており、しっかりした造りだ。

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ずっしりとした重さはあるが、健康な成人男性なら1人で持ち上げられる。軽自動車の後部座席にも積める大きさだ。

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車体下部にはバッテリーが収まっているが着脱式ではない。充電はここにプラグを差し込み、家庭用のコンセントで行う。右側にあるのはメインの電源スイッチだ。

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セキュリティ機能のオンオフが行えるスマートキーが付属している。

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車体下部前方には小さなローラーが備えられているので、折りたたんだ状態でキャリーケースのように引っ張って動かすことができる。

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後輪に備えられたインホイールモーター。350W、36Vという表示が読み取れる。

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フロントにはサスペンションと機械式のディスクブレーキを装備。タイヤサイズは10×2.50となっている。

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リアブレーキも機械式ディスクを採用。右側の黒い筒状のものはダンパー機構だ。タイヤサイズはフロント同様の10×2.50となっている。

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テールランプ&ウインカーはコンパクトな一体型を採用。LEDなのでウインカーは昼間でもよく目立つ。

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テスターは身長170cmで足は短め。EVスクーターのシートは高さ調節が可能で、乗り手の体格に合わせられる。写真はちょうど中間位置ぐらいで、もっと低くも高くもセットできる。

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