掲載日:2017年05月24日 試乗インプレ・レビュー
取材協力/Chops 取材・文/淺倉恵介 写真/木村圭吾
現在、世界でバイク需要が一番盛り上がっているのが、東南アジア地域。日本のバイクメーカーはもちろん、ヨーロッパのメーカーもアジア地域に生産拠点を置き、現地のニーズに合ったモデルの開発・生産を行っている。NAVI110はそうした1台で、インドホンダの手により生み出されたモデルだ。
現地の若者をターゲットにして、手に入れやすい価格、そしてバイクの楽しさを知ってもらえる乗り味を考えて設計されている。販売戦略も斬新で、インドではスマートホンでカラーオーダーが出来るなど、様々な工夫が凝らされている。
だが、成熟した日本のバイクマーケットにおいては、やはり気になるのは10万円を切る車両価格だろう。この値段であれば“話のタネに買ってみよう”という気にもなる。一方で、国内市販モデルと比較して格段に安い価格は、いったいどれほどコストダウンされているのか? と、心配にもなってしまう。だが、その点はあまり気にしなくてもいいようだ。インドの物価と現地価格を調べてみたところ、国内の価格とさほど開きがあるわけではない。値段の安さについては、輸入を手がける業者さんの努力に寄るところが大きいようだ。
NAVI110のスタイリングは、同じホンダ製のファンバイクとして人気のGROMに似たもの。だがよく見れば、いやよく見なくとも一見して大きな違いが有る。NAVI110には本来エンジンがある部分が空っぽ。実はこのバイク、エンジンはユニットスイング式。言うなれば、スクーターのステップボードを廃して、一般的なバイクの左右振り分け式のステップを採用。ニーグリップできる位置に燃料タンクを設けたものなのだ。実際に、フレーム形式はアンダーボーンタイプ。燃料タンクを支えるサブフレーム部分は、シート側から突き出している形になっている。
エンジンは排気量109.19ccの空冷4ストローク単気筒で、最高出力は約7.9PS。ミッションはクラッチレスのCVT式無段階変速で、ギアチェンジ不要のATミッションとなっている。シティコミューターとして、ホビーバイクとして、多くのライダーに気軽に楽しんで欲しい1台だ。