SYM T1
SYM T1

SYM T1 – 日常の足として気軽に乗れるネイキッド

掲載日:2012年06月12日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/河合 宏介

SYM T1の試乗インプレッション

SYM T1の画像

マイルドだが決して遅くはない
接地感の高いストリートバイク

シート高は790mm。テスター(身長163cm)がシートに座ると、両足のかかとまでペタリと接地する。ハンドルグリップは細く感じるが、運転姿勢はとても自然な位置。かといって、大柄な人には窮屈かというと違うのである。メタボ体型の原付RIDE編集担当が乗ってみても、身体のどこかを無理に小さく折りたたんで運転している様子は感じられない。小柄な人から大柄な人まで、女性から男性まで、ライダーを選ばない守備範囲の広さを感じた。

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スタートの瞬間にトルクの細さを感じるかもしれないが、125ccという排気量を考えれば、むしろ粘りがある回り方をするエンジンともいえる。実際、クラッチミートに気を遣うのは走り始めの一瞬で、その後の加速では、マイルドだがスムーズに回転は上がっていくのである。回転が上がるといっても「開けろ!」とせかされるような印象はない。ミッションの設定もよく、5,000回転から8,000回転くらいまでの実用回転数をしっかり使える仕様となっていた。

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走り始めてしばらくすると、かなりの安定性の高さを感じながら走っていることに気付く。速度が増せば増すほど、車体が路面に押し付けられるような感じなのである。直線でもコーナリング中でも接地感は良好。素直なハンドリングとあいまって、次のコーナーが待ち遠しくなるマシンだと感じた。もちろん、ブレーキのフィーリングもしっかりしたもので、減速操作に不安はナシ。なお、都市部を100キロほど走行して燃費はリッター約40キロという結果だった。

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T1に乗って思い出したことがある。原付カテゴリーでも、かつてはこうしたスタンダードなマニュアルモデルが数多くリリースされていたことだ。ビジネスシーンだけでなく週末のツーリングマシンとしても愛用され、初心者ライダーにバイクの楽しさや安全に走るスキルを与え、ベテランライダーの要望には優れた経済性と熟成された性能で応えていた在りし日の「ワンツーファイブ」。決してハイスペックではないけれども、しっかりとした走行性能と値ごろ感のある価格帯(実売で車両代が25万円前後)で登場したT1は、もしかしたら、未来のライダーを育ててくれる名コーチになるかもしれないと感じた。

SYM T1の詳細写真は次ページにて

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