

掲載日:2012年01月10日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合 宏介
ゼロスタートの出足は良い。低回転でクラッチをつなげば、充分に交通の流れに乗ることができる。シビアではなくマイルドな出力特性なので、追い越し加速が必要な時などは、アクセルを開けて半クラッチでパワーを与える乗り方が必要だと思う。なお、エンジンを高回転までひっぱってシフトチェンジするとギクシャクする印象を持った。購入後は自分が走るフィールドに適したスプロケ調整をしたほうがベターだろう。エンジンは良く回るが、時速60キロ付近を越えると振動とノイズが増え始める。ある条件では時速90キロまで出たが、しかしその速度だとエンジンは悲鳴をあげ、車体にも余裕と安定があるとは言えない状態だった。快適な常用速度は時速60キロくらいまでだろう。
フロントフォークは、低中速での追随性は良いが、スピードがのった状態でブレーキをかけると簡単にフルボトムしてしまう。コーナーは安定しているが、フロントタイヤが太いためか挙動が鈍く感じる。そのためキビキビとしたスポーツ走行は得意ではなく、ストリートをメインにした走りが似合うようだ。なお、AJPのブレーキは、トライアル競技のコンペティションモデルにも採用されている製品なので効きは充分。この制動力がもたらしてくれる安心感は大きい。
いろいろなフィールドで乗ってみて改めて感じたことは、「タンゴ125」は初心者の入門用や熟練者のセカンドバイクとして最適な、軽快かつ楽しいマニュアル操作のスモールバイクということだ。マイルドな出力特性の空冷単気筒エンジンは、シンプルな造りだからこそ長く乗り続けられるはずだし、デュアルパーパスモデルという性能は未舗装路に遭遇しても臆することはなく通過できる安心感がある。そう、まるでスニーカーを履いて散歩に出かけるような気軽さで楽しめるバイクなのである。
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