ホンダ ディオ

ホンダ ディオ – 50ccスクーターの定番モデルがFI採用

掲載日:2009年07月12日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

50ccスクーターの定番モデルが
FI採用でもっと快適・便利になった

各社から発売されている原付スクーターの中でも、ひときわポピュラーなモデルと言えば、やはりホンダの「ディオ」。初代が発売されてからすでに20年以上経ちますが、これまで発売されたモデルはいずれも定番ベストセラーとして人気を博してきました。一時はスポーツモデルにまでラインナップの幅を広げていたディオですが、近年は排気ガス規制の影響もあり、スタンダードモデルとフロントバスケットを備えた「チェスタ」の2車種のみとなっています。今回紹介するのは、チェスタのベースともなるスタンダードなディオ。2007年までは4サイクルエンジンにキャブレターを組み合わせていましたが、モデルチェンジで電子制御燃料噴射システム(PGM-FI)とマフラー内部にキャタライザーを採用。厳しくなる国内の規制に適合させるため、より環境性能を高めたモデルです。価格については15万円台と以前のモデルより上がってしまいましたが、各社が規制対応のため車両価格を引き上げているため、このクラスのスクーターとしては平均的なものと言えるでしょう。ただ、残念ながらカスタムベースとしては、現在のところ満足できるほどのパーツはまだラインナップされていません。とはいえ、ディオシリーズはスクーターの定番モデル。少しずつパーツ点数は増えていますので、今後の展開に期待したいところです。

ホンダ ディオの画像

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ホンダ ディオの画像

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ホンダ ディオの試乗インプレッション

スタンダードモデルの証明
充実の基本性能に注目

ディオは特にこれといったスペシャルな装備などは備えていませんが、基本性能が充実したモデル。まず、車体の軽さは大きな特徴です。81kgという軽量な車体は取り回しが良いだけでなく、センタースタンドをかける際にもほとんど力がいらないほど。車両サイズは原付スクーターとしては標準的なサイズですが、シート座面が広く体重をかけやすい形状のため、長距離走行時の疲労が少なくなっている点も見逃せません。ぱっと見ただけでは気が付きませんが、乗ってみると分かる基本性能の一つとして、着目しておきたいポイントです。

ホンダ ディオの画像

走りの方ですが、エンジンのパワーフィールは4サイクルエンジンらしく粘り強いもの。スポーツタイプスクーターのような鋭さはありませんが、スロットル開度にあわせて滑らかに加速してくれます。驚いたのは、予想以上に高回転側での伸びが良いこと。法規制のため最高速度に制限はありますが、スーッと伸びていくスピードは心地よいものがあります。また、ホンダスクーターの特徴でもあるコンビブレーキも好印象。いまや一般的になった前後連動ブレーキですが、この装備の先駆者であるだけにしっかり熟成されており、その存在を感じさせないまま安心感のあるブレーキングを実現しています。軽い車体、粘り強くスムーズなエンジン、そして扱いやすいブレーキが生み出す走りは、まさに原付スクーターのお手本とも言える完成度。誰でも安全かつ気軽に楽しめるでしょう。

最後に、インジェクションを採用したことによる燃費ですが、これは非常に良好 です。今回のインプレッションでは実走行でリッター35km以上をマークしてお り、4.6リットルなら200km近い走行が可能です。こういった燃費の良さも、スタ ンダードスクーターとしては重要な要素。また、キャブレター車より始動性も格 段に向上しており、早朝でも簡単にエンジンがかかるのもインジェクションなら ではの利点です。トータルで見て、ディオは非常に完成度の高い1台と言えます。

ホンダ ディオの詳細写真は次ページにて

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