第2回 発見いろいろ電動バイク通勤(その1)

掲載日:2011年10月31日 電動バイク生活長期インプレッション    

Text & Photo / 野呂瀬 悦史

電動バイク生活

さぁ、いよいよ実走編スタートです。メインルートは片道約30キロの通勤路。立体交差やアンダーパスなどの上り下りが少なく、バイパスのような交通の流れが速いところは避けたルート設定をしてみました。果たして電動バイクは通勤に耐えられるのか?

積載性などは十分すぎるのですが、走りの実力はいかに?

「EV」とも呼ばれて注目の電動バイクですが・・・・・

すでに数々の電動バイクのインプレッションを掲載していますが、このヤディア・ジャパンのEM26天星も他の電動バイクと同様にイグニッションONだけでスタート準備完了です。アクセルを開ければスルスルと走行開始。わずかなモーター音しかしない電動バイクは、歩行者に存在を気付いてもらえず人通りが多い路面では気をつかいます。その静かさゆえに不思議な体験もしました。前走のバイクのドライブチェーンのたるみ音が「グアングアングアン・・・」とハッキリ聞こえてきたんです。走行音から前のバイクの調子が分かるなんてオドロキです。

前の2台は原付バイク。青信号スタートで、このくらいの差が開きます

走行性能は原付と同等か、やや下回ります。流れに乗れば時速50キロ前後で走行できますが、加速がもう少し欲しい! ちなみに、最高速もプラスされればモアベター。そう欲深くなるのもフロントディスクブレーキという十分なストッピングパワーが備わっていて、減速での不安感がないからです。苦手なのは中間速度の維持なんです。いろいろ走り方を工夫しましたが、手っ取り早いのが惰性走行を取り入れながら中間速度を維持させる方法でした。なんとなく電車の進み方に近いのかも? ちなみに、すり抜けで必要な極低速は問題なしです。それはヤディア・ジャパンのマシンが、リアブレーキをかけた状態でも動力をかけられる設定だからです。実は電動バイクの多くは前後問わずブレーキレバーを握ると動力が伝わらないようになっています。中国のヤディアも同様の措置が施されていますが、日本の交通事情に合わせた日本仕様車ならではの装備なのです。

左のバッテリー残量計はバッテリーに負荷がかかっているときに針が動きます。走行距離30キロで半分になります

走り以上に感じたのは「どこで充電するか」という大問題です。電動バイクは家庭用コンセントから充電するタイプが主流で、このEM26天星も同様です。「家庭用」という単語が手軽な印象を与えますが、その充電環境を探すのは容易ではありません。ガレージなどがあるなら別ですが、例えばアパートやマンションの2階以上に住んでいる場合、駐車スペースに使ってもいい共用コンセントが絶対必要です。しかも、電動バイクを満タンにするには時間が掛かります。私の場合は自宅が一階なので夜間に延長ケーブルを使って充電し、出社後には会社の駐車場で充電することで片道30キロの通勤路を走っています。自宅での充電だけならば、バイクの航続距離も考えるとおそらく片道17キロ程度の通勤距離が往復で走れる現実的な距離になると思います。

SPECIFICATION - Yadea EM26-1000L

■全長×全幅×全高 = 1,700×650×1,150mm

■車両重量 = 80kg

■最高速度 = 53km/h

■実用登坂力 = 14度

■モーター定格出力 = 1,000W

■バッテリー種類 = リチウムイオンバッテリー

■充電時間 = 3~6時間

■満充電時走行可能距離 = 48km
■タイヤサイズ = 前後3.0-10(チューブレス)

■ホイールベース = 1,250mm

■シート高 = 760mm

価格(消費税込み) = 26万7,750円(PSE取得バッテリー充電器付)

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