掲載日:2017年04月24日 雑誌掲載記事ピックアップ
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部 画像提供/ロードライダー編集部
1984年、カワサキのGPz900R(ニンジャ)が登場した。実はこの前年にカワサキはZ系エンジンを発展させた大型空冷4気筒エンジン搭載のGPz1100を旗艦モデルとしてデビューさせていた。それだけに周囲からは驚きの声も多く上がっていたようだ。
GPz900Rは当時世界初となる大型水冷直4エンジン搭載マシンであった。CVK34キャブレターの組み合わせによって115馬力を発生させていたが、これはGPz1100の120馬力に迫る出力値となっていた。一方で、GPz900Rの車重はGPz1100よりもおよそ20キロ軽く仕上げられていた。当時としては、1100のパワーと750の軽さを合わせ持った新世代モデルであり、その後のビッグバイクの指標となるマシンとして登場したのである。
「Ninja(ニンジャ)」というペットネームは、当時の北米で「忍者」がムーブメントになっていたことに由来しているという。忍者は日本のスーパーマンとして認知されており、ハイパフォーマンスなマシンと日本製であることをイメージしやすいことからUSカワサキが名付けたとされている。これにより北米仕様車にはサイドカウルに「Ninja」と記された。
当時のカタログには最高速度は時速253キロ、0~400加速10.559秒という数字を見ることができるGPz900R。そのハイスペックに加え、ハリウッド映画の登場人物の愛車としてスクリーンデビューしたことも影響し、一躍人気モデルに成長した。なお、Z系最大最強のエンジンを搭載したGPz1100は、デビューからわずか3年ほどで、GPz900Rの人気に隠れるようにして姿を消していった。
「Z1の意志を受け継ぐ最上級のカワサキ・ストリートバイク」とあるように、レーシングモデルではなく、ストリートモデルとして登場したGPz900R。
GPz900Rは、Z1で得ていた世界最速を奪回し、さらに次の10年にわたって君臨するべく創造された。
GPz900R(A1/ルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバー)。こちらは欧州仕様でサイドカウルは「GPz900R DOHC16-VALVE」と表示されている。
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