掲載日:2025年08月06日 プロが造るカスタム
取材協力/Bike Shop Clean
取材・写真・文/ガスグラフィックス
乗り手や場所によっては、スポーツバイクも凌駕する。それが、ヤマハ・TMAXの真髄だ。ヨーロッパ市場で、速く、快適に楽しめるスクーターの登場を渇望したユーザーに応えた結果が、これだけの性能を獲得し、何世代にも渡ってモデルチェンジを繰り返しながら継承され続けている。この歴史から見ても、TMAXはとても希少な車種のひとつと言えるだろう。
今回紹介するTMAXは、千葉県の老舗、バイクショップクリーンが2009年頃に製作した車両だ。フロント、サイド、リアスポイラーとエアロを3点装着。適度なローダウンを施しマフラーの変更と、当時から定番とされたスタイルであるのは間違いない。しかし、ハンドル周りをはじめ、各部をさりげなくブラックアウト化したことで車両全体の統一感を向上。そのおかげで、速さを連想させるメガスクーターが、より一層引き締まって見えるのだ。
もうひとつビジュアル的なポイントとしては、デビル製サイレンサーを流用したそのスタイルにも注目したい。ロードレースの世界最高峰、MotoGPにおいて当時流行していたデザインを取り入れたことが、スポーティ感を高めているのは間違いない。
昨今のレース車両はエアロデバイスが追加されるなど、このTMAXが作られた時代とはかなり様変わりしている。もしもバイクショップクリーンが、最新のMotoGPマシンのアイデアを取り入れてこの時代にTMAXを作るとしたら、一体どんなスタイルを見せてくれたのだろうか? そんな妄想を膨らませながら、当時の懐かしのTMAXに思いを寄せたい。
フロントはマッドスピード、サイドはジェッツとブランドミックスでまとめた。サイドエアロはより重厚感を得られるのが魅力。
ハイカラヤ製リアスポイラーは、上部は純正リアカウルを延長させたようなデザインで、下部も設けることでリアテールを薄くシャープに仕上げてくれる。
デビル製サイレンサーをショート化し、車体下部に低く設置。これにより、MotoGPマシンのような雰囲気を獲得している。こういったレーシーなアイデアは、TMAXだからこそ成立するテクニックだ。
純正のハンドルカバーを外し、ポッシュフェイス製ハンドルポストとハリケーン製ハンドルでバーハンドル化。手軽にスポーティ感を演出できるため、当時の定番スタイルだった。レバー以外をブラックアウトしているため、コクピット周りも一体感に溢れている。
ヤマハ・YZF-R1用純正ローター装着もTMAXにとっては定番の技。純正流用かつブレンボキャリパーによるさりげないカスタム感は、いつの時代にも受け継ぎたいスタイルだ。
インナーは黒ではなくブラウン系で塗装している。これにより外観全体にメリハリがついた。この質感に合わせて、ステップボードや各カバー類もそれぞれペイントしている。
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