掲載日:2026年06月07日 プロが造るカスタム
取材協力/BOMEX 取材・写真・文/ガスグラフィックス

様々な日本製のチューニングカーが登場し、世界中のクルマ好きを熱狂させた米国映画が「ワイルド・スピード(The Fast and the Furious)」だ。現在のJDMカームーブメントを生み出すきっかけがこの映画であったことに、異を唱える人はいないだろう。
2001年にその記念すべき第1作が公開されたのだが、故ポール・ウォーカーが演じた主人公ブライアン・オコナーの愛車として登場したオレンジ色のトヨタ・スープラ(JZA80型)には、BOMEX(ボメックス)のフロントバンパーとサイドステップが装着されていた。このブランドこそ、モータースポーツを通して自社製品の開発を続け、その魂をストリートへと落とし込む、純日本製のエアロブランドなのだ。
BOMEXが製作したこちらのスズキ・スカイウェイブ(CJ43型)は、2007年頃の作品となる。「ワイルド・スピード」で一躍注目を集めた同社の勢いが止まらない、そんな時代背景を持つ。ベースとなったCJ43型は、スカイウェイブの第2世代に当たり2002年から2006年初頭まで生産され、その後第3世代のCJ44型へと引き継いだ。つまり、このBOMEXの車両が生まれたタイミングは、ちょうどこの世代交代を終えた時期になる。そして、その時代性を逆手にとり、コンセプト「43.5 MAD STYLE」として、自社新製品エアロで表現したのだ。

目指したのは、ボリューム感溢れるCJ43型と、シャープで洗練されたデザインに変貌したCJ44型のミックスだ。「43.5」とはこの両型の中間を意味しており、純正デザインに敬意を表し、社外品メーカーがその純正デザインのエッセンスを取り入れて、重厚感溢れるエアロを生み出したことになる。特にサイドカウルの造形は秀逸で、CJ44型の純正デザインを連想させつつ、類を見ないワイド感を獲得。それに合わせるかのように、サイドステップ、リアアンダーカウルも、JDMブランドとして世界に名を轟かせたそのプライドが表現されていた。
もしこの実車が現存していたとしたら、もう一度、様々な角度からこのスカイウェイブを拝見したかった。幾重にも、複雑に流れるボディデザインの妙技。モータースポーツの世界から生まれ、世界的有名ブランドへと飛躍したBOMEXのビッグスクーター業界への貢献度を、このスカイウェイブと共に記憶に留めておいてほしい。

当時、フロントフェイス、サイドカウル、フロントリップ、サイドステップが新製品として登場した。フェイスとリップで目元をシャープに。サイドカウルとステップは、ボリュームアップのため。そして、それらに合わせてさりげなくフェンダーも造形するなど、エアロブランドとしてのこだわりが溢れる作品だった。

複雑な造形を持つサイドステップのデザイン。ビッグスクーターには欠かせないステップボードの存在を、ボリュームアップの要素として活用。ダクトの追加やシャープさと重厚感の両立など、デザイナーとしてのセンスがここに表れている。

リアは、アンダーカウル、リアスポイラー、GTウイング。そして、内部がLEDを採用したクリアレンズのテールランプなど、クルマのスポコン系に通ずるチューニングカー的要素を盛り込んだ。

リアスポイラーにGTウイングを追加するダブルウイングスタイルは、決して主流ではなかったが一部の熱狂的チューニングカー好きに支持された。最近のハードカスタム系では見る頻度が無くなった、貴重なカスタムテクニックである。

メッキ加工を施したホイールに、ウェーブ型ローターの組み合わせは定番。アクスルスライダーの装着やブレーキホースの取り回しなどに、ドレスアップ派とは異なるチューニング派のこだわりが感じ取れる。

ダッシュボードにはスピーカーとオーディオも内装。オーディオやエアサスのコントローラーをここの集約することで、使いやすさを向上させている。

サイレンサーはビッグスクーターでも人気だったデビル管を採用。これに人気のカスタムショップ、オーバルが手掛けたエキパイを使うことで、ご覧のカチアゲスタイルが完成。








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