掲載日:2025年04月28日 プロが造るカスタム
取材協力/M-SOUL
取材・写真・文/ガスグラフィックス
“スポコン”とは、ホンダ・シビックやCR-Xといった安い日本の中古ライトウェイトスポーツをベースに、チューニングを楽しむスポーツコンパクトというジャンルの略称だ。発祥はアメリカで、アジア系アメリカンが中心となって誕生。それが日本に輸入された際に、チューニングだけではなく見た目も派手に、かつオーディオなどを取り入れて、チューニングとドレスアップを混合した独自文化として定着していった。
一方のラグジュアリーは、読んで字のごとく、高級感や上質感を極めたリッチな雰囲気を極めるスタイル。こちらもアメリカ発祥だが、主にアフリカ系アメリカンが好んでいるのが特徴だ。ビッグスクーターは、こういったクルマから生まれたジャンルをリスペクトし、そのテイストを積極的に取り入れてきたバイク文化なのだ。
この相反するジャンルを融合することに挑戦したショップが、神奈川にあるM-SOUL(エムソウル)だった。空冷Z系を得意としていた同店が、“634(ムサシ)”というオリジナルブランドを立ち上げて、ビッグスクーター業界に参入。技術力と独創的なアイデアで、瞬く間にスクーターの主流ブランドのひとつへと成長し、ブームを盛り上げたショップのひとつである。
装着するだけで高級感が漂うメッキパーツを多用しながら、外観をバイナルグラフィックやM-SOUL(エムソウル)オリジナルのヘッドライトルーバーなどで、スポーティ感を強調。当時はドリフトなどの影響などもあり、スポンサーステッカーを多用したグラフィックが人気だったが、そういった“スポコン”と、高級感溢れる“ラグジュアリー”の要素を取り入れ融合させたのが、この“S LUXURYスタイル”だ。しかもこの車両は、フルオーダーカスタムコンプリート車として製作、販売されていたというのもあの時代ならでは。燃え盛るユーザーの改造熱を煽るように、次々と産み出された各社渾身のカスタムカー達。その当時の熱気は、現代のカスタムのヒントとなる道標になるはずだ。
人気のBITE製フロントフェイスに、M-SOULのヘッドライトルーバーをセット。サイドカウルはボリュームが控えめなapr製。バイナルグラフィックで、スポコンらしさを強調している。
ディスクはデイトナ製ウェーブローター。ホイール、フロントフォーク、キャリパーなど、質感が高いメッキ仕上げでラグジュアリー感を演出。
ハンドルバー、スイッチボックス、グリップ、マスターシリンダーなど、オールメッキ化がラグジュアリーの真髄。ハンドルポストカバー下部にミサイルスイッチやエアサススイッチを設置しているのがポイント。
M-SOULのヒット作、MUSASHIχ SPEC-R。ほどよいサイズ感のサイレンサーとこのカチアゲスタイルが、多くのユーザーから支持された。材質はチタンとステンレスをミックスしている。
バイナルグラフィックに合わせたシルバーとホワイトを組み合わせたオリジナル張り替えシート。
シート下にはエアサスタンクやカロッツェリア製ウーファーをセット。LEDやストロボなどの電飾カスタムもM-SOULは得意としていた。
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