掲載日:2025年02月12日 プロが造るカスタム
取材協力/CUSTOM SHOP ETERNITY
取材・写真・文/ガスグラフィックス
TMAXは、ヨーロッパを中心に大ヒットしたメガスクーターである。2002年の発売当時、ヤマハの公式ホームページでは、スクーターカテゴリーではなく、スーパースポーツカテゴリーで掲載していたほどで、TMAXの開発の意図が理解できるだろう。
しかし、スクーターとしての構造上の限界点があったのも事実。一般的な車両のように、フロントにはテレスコピックタイプのフロントフォークを採用したが、装着されたタイヤは15インチが上限。このサイズに合わせた高性能タイヤが大手各社より製品化されており、一般的なユーザーにはそれで満足できるレベルだったが、日本のコアなユーザーはそれで納得できるはずがない。そんな国内マーケットの声を聞いたエタニティは、歴代車両の17インチ化に積極的に取り組んできた。
今回のベース車は2020年にモデルチェンジされた7代目。初代に採用された2軸バランサー付水平対抗2気筒エンジンは進化を続け、排気量560ccとなった最初のモデルだ。
エタニティでは、17インチ化するにあたり、必要なパーツをキット化している。特に、ベルト駆動からチェーン駆動に変更しているため、必要とする部品は多い。しかし、走りに支障が無いよう正しく装着しセッティングを詰めていくと、各部調整に手間がかかる。特に海外のユーザーから、購入希望の声が数多く届くそうなのだか、それを断る理由がここにある。逆を返せば、この17インチ化というモディファイは、海を超えた遠方のユーザーが喉から手が出るほど切望する憧れのスタイルなのだ。
外装に関しては、ウインドスクリーンを装着したのみで、基本的にノーマルのまま。駆動系を定番のマロッシに、そして足回りの変更に伴い、ブレーキ関連は全てグレードアップしている。製作したエタニティ代表の上田さんによれば、「純正スタイルを壊さないように17インチ化を目指しました」とのこと。TMAXらしさを1ミリたりとも失わない。この姿勢こそが、世界中のファンが日本発祥のモディファイ文化に憧れる理由なのだ。
フロントの足回りも17インチ化されている。サスペンションは、ワイズギアのローダウンタイプ(4cm)を使用。ノーマルでもラジアルマウントキャリパーが装着されているが、ブレンボに変更することで性能も雰囲気もレベルアップ。
マフラーは大人気のアクラポビッチ製レーシングラインのカーボンタイプ。ボディパーツの一部にもカーボンを活用しているため、スポーティ感を高めるにはこのカーボンタイプは必須だ。
リアは、チェーン化に必要なスプロケットなどの各部やホイールのカラーなどをエタニティオリジナルパーツとして製品化している。
リアのブレーキキャリパーはブレンボ、ローターはサンスターを活用。エタニティでは定番のセットアップとなる。
よりスポーティなムードを演出してくれる西日本バネサス研究所製セパレートハンドル。マスターシリンダーなどはゲイルスピードだ。
リアサスペンションも、ワイズギア製ローダウンサスを使用。すでに廃盤となっているが、今でも人気が高いアイテムだ。
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