掲載日:2024年08月28日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY
取材・写真・文/ガスグラフィックス
スーパースポーツ車をベースに、ロングスイングアームと幅広タイヤ装着で、ドラッグレースマシンをオマージュしたカスタムが、アメリカで流行した時代があった。コーナリング性能は完全に無視したスタイルは日本ではニュースクール系、あるいはウォンウォン系と呼ばれ、憧れるユーザーも存在した。あの驚愕のスタイルをビッグスクーターに取り入れる。誰もが耳を疑うようなカスタムを、実際に成し遂げたのが大阪のゴッティだった。
この「プロが造るカスタム」シリーズで何度か説明しているが、当時、栃木県足利市にあったマッドスピードというビッグスクーター界の草分け的ショップ(現在は廃業)が、「4輪ホイールをボルトオンでビッグスクーターに装着できるように」と考え、開発し市販化したのがMADPOD(マッドポッド)という商品だった。装着できるサイズに限度があったが、ゴッティはそれを自社内で加工。360/30の18インチサイズを装着できるように完成させたのが、通称GODPOD(ゴッドポッド)になる。おいそれとは手に入れることができない神の領域のカスタム。そんな意味を込めて「GOD」=神と呼ばれ、このスタイルを手に入れたオーナー達は、他のユーザーからも羨望の眼差しを受けることになったのだった。
ゴッティではこのリアビューをベースに、外装をワンオフ化。フロントフェイスはホンダ3代目CBR1000RR(2008~2011年 SC59型)のフェイスを流用。スポイラーと一体化されたリアカウルは自社製4D9マジェスティ用を流用するなど、迫力のリアビューに負けないようなスタイリングを獲得。そして全体のバランスを考慮し、フロントにも4輪用17インチホイールを選択。マフラーはカワサキZ1100用を流用。そしてグラフィックは、トライバル、リアルフレイムスなどが盛り込まれたフルエアブラシ仕様で完成させた。実現不可能と思えるアイデアを、こうして形にしていくプロショップの存在がいかに大切か。この車両がそれを物語っている。
ホンダCBR1000RRの純正フロントカウルを流用した顔回り。小顔なため車両全体がスマートに見える。ヘッドライトとウインカーはワンオフでLED化。
360/30-18インチという驚愕のサイズをビッグスクーターに装着。この超越したアイデアを実現したことで、この迫力あるフォルツァが完成した。リム部も外装と同じペイントを施したことで猛々しさが増している。
スクリーンレスなためフロントの高さが低く抑えられているのが分かる。ゴッティオリジナル商品、フロントサイドカウルとの相性も抜群。またフロントホイールも4輪用で17インチ化。これで前後のバランスを整えた。
カワサキZ1100用を流用したマフラーエンド。純正パーツを巧みに流用するセンスもゴッティらしい。リアスポイラー一体型のリアカウルもゴッティオリジナル商品。4D9マジェスティ用だが、これを他車種に流用する技が全国的に流行中。
FRPによるフルフラットシートにもグラフィックを施す。乗るのをためらうほどの美しさだが、乗って、磨いて、飾るがゴッティ流。このシートは電動オープナーが仕込まれており、インナーにはオーディオ関連の機器が搭載されている。
ハンドル周りは定番のフルメッキ仕様。レバー、グリップ、ミラーなど、全てを完全にメッキ化し、車両全体の完成度を高めた。ハンドルモニターも電装カスタムが得意なゴッティらしさ全開のスタイルだ。
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