掲載日:2024年08月14日 プロが造るカスタム
取材協力/ATOMIC AIR PAINTS TEL 072-482-3411
取材・写真・文/ガスグラフィックス
この記事で様々なスクーターを紹介してきたが、ストリートのグラフィティアートさながらの大胆な絵柄に彩られた車両が登場するのは、おそらく初めてではないだろうか。ベース車両はヤマハ・マグザム。ロングホイールベース加工とローダウン、フロント&リアのエアロ装着でスタンダードな“ロンホイマグザム”が完成したのが第一段階。第二段階として、鮮やかなピンクを基調に全面にグラフィックを描いて、この唯一無二の車両が完成したのだ。
ペイントを手掛けたのは、大阪で活躍しているペイントプロショップのアトミックエアーペインツのteruさんだ。アメリカ的なサインワーク(看板)やミューラル、ピンストライプ、そしてこのようなエアブラシによるグラフィティスタイルなどあらゆる技術を吸収し、独自の感覚へと昇華。このマグザム以外の作品を観ると、アメリカの偉大なるKustom Kulture系アーティスト、エド・ロスやヴォン・ダッチの意思を継承したかのようなセンスを持っており、トップレベルのぺインターに名を連ねるひとりであることは間違いない。
このマグザムでは、フロントフェイスに描かれたスケーターガールを中心に、スカル(骸骨)やスターなど、女性オーナーであることを強調したポップなテイストも描かれているのが特徴。しかも、フロントフェイスの上端やインナーカウル、スイングアームなど、細部にはピンストライプも追加。これだけ様々な要素が散りばめられているにも関わらず、それぞれがお互いに邪魔をすることなく、マグザムを1枚のキャンパスに捉え、アートが表現されていることに注目したい。ビッグスクーターのカスタムでは、様々な外装ペイントを施した素晴らしい車両が数多く生み出されてきたが、その歴史に名を残すマグザムが新たに誕生したのだ。
スケーターガールを中心に様々なグラフィックが描かれたフロントフェイス。この一面だけでも、どれだけ労力がかかる作業であったかが想像できる。
イメージカラーはピンクのため、ホイール、プーリーカバーもベースカラーの上にグラフィックが施されている。シグマスパイダーのリアカウルの深いエッジ部にも違和感なくスターが描かれているのが印象的。
ステップボードには所属チームの名前と共に可愛らしいスカルが描かれている。足を載せることを躊躇するほどの美しさだったが、こういったポップなテイストも手掛ける技術の幅広さにも注目したい。
マフラーはエキパイからゴッティのワンオフによるもの。車体がピンクのため、ブラックカーボンのショートサイレンサーとのコントラストがポイント。
フロントホイール、ディスクローターのインナーもピンクで彩られた。キャリパーのみパープルとし、ピンク一色に揃えないセンスも必見。
ハンドルもメッキではなくペイント仕様で完成。グリップやミラーはブラックだが、マスターシリンダーキャップ、グリップエンドなどにピンクを活用することで、色味のバランスを整えている。
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