掲載日:2024年04月25日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY 取材・写真・文/ガスグラフィックス
高さを極端に抑えたチョップドフロントフェイスとフラットシートが生み出すデザインは、ノーマル状態でも低さを実感するヤマハ・マグザムの魅力を、さらに引き出している。しかし、この車両で注目すべき点は、前後に装着された足回りの組み合わせだ。太さこそ異なるもののインチ系は共に17インチ。車両の構造上、大径化が難しいビッグスクーターにこのサイズを装着することがどれだけ苦労を伴うか。それをいとも簡単そうに実現したカスタムショップ、大阪ゴッティの真髄がここに表現されている。
フロントについては、ホイール装着に伴うヘッドライト内側の干渉をいかに防ぐかが重要。従来のライトユニットは使用できないため、LEDによるワンオフヘッドライトへと切り替えてタイヤスペースを確保している。リアは、ビッグスクーター全盛期に活躍したマッドスピード(現在は廃業)が、その当時販売していたマッドポッドを流用。これは、大径4輪用ホイールをボルトオンで装着できるという、斬新かつ画期的なアイデアで発売されていた商品。現在は入手不可能な貴重品だが、ゴッティはこれを活用してこのマグザムを作り上げたのだ。
ライトカスタムユーザーから、独自性を求めるハードカスタムユーザーまで、幅広いビッグスクーターファンを全て楽しませてくれるアイデアとセンスを持つゴッティ。ブームが去っても未だに新しいファンを生み出し続けることができるのは、同店の情熱の賜物だろう。
シャークマスクと呼ばれるゴッティオリジナルのフロントフェイス。ノーマルメーターを取り外すことで実現できるこの薄さに、多くのファンが魅了される。このフェイスとフロント17インチのバランス感が絶妙で、前輪大径化を求める声が大きくなっている理由がここにある。
スイッチ類などにオリジナルペイントを施したハンドル周り。ブレンボのラジアルマスターや移設メーターなど、ハードな外観に相応しいスタイルだ。
300幅のメッツラーを装着するために選ばれたSSR製ホイールは、10対のツインスポークと深リムが圧倒的な存在感を主張している。マッドポッドとゴッティのオリジナル加工により、マグザムでのこのスタイルを実現。
左側から見られるこのスイングアーム兼チェーン駆動部分がマッドポッドの特徴。ノーマルのドライブシャフトの位置からこの長さだけ後部に駆動輪を移設することで、ボルトオンで大径ホイールを装着するというアイデア品だった。リアローターは、ゴッティオリジナルパーツ。
ワイド感とシャープさが特徴のリアカウル&スポイラーは、GOTTYのマジェスティ(4D9用)を流用。マグザムへの装着はもはや定番スタイルとなっている。サイレンサーはハーレー用バンス&ハインズを流用。また、マッドポッドはマグザム用がラインナップされていなかったため、これを装着するためにワンオフにて追加フレームなどが製作されている。
サイド下部に装着されたエアロも、車両全体のバランスを考えて追加された。視覚的な低さやワイド&ローの外観など、前後17インチ化に負けない迫力を生み出すための重要素材。
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