掲載日:2024年02月28日 プロが造るカスタム
取材協力/PRO SHOP WAVE
取材・写真・文/ガスグラフィックス
2001年8月に、ヤマハよりTMAXが発売開始されてから、今年で23年目を迎える。ヨーロッパでのビッグスクーターでの需要増加に伴い、既存の250cc車両の快適性や便利さと、スポーツ走行を楽しむという要素を両立させる。そのために、排気量499ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒エンジンを採用し、それをフレームに搭載したことで、スイングアームが存在。フロントフォークもトップブリッジとアンダーブリッジで支える正立式テレスコピックを採用と、既存スクーターとは全く異なる、むしろ一般的なオートバイと同様の構造で生まれたのが、このTMAXだった。その後、フルモデルチェンジを繰り返し、現在は2020年に発売開始となった6代目、いわゆるSJ19Jが新車として発売されている。
日本国内のビッグスクーターカスタムと言えば、ローダウンにロングホイールベースという、見た目優先のドレスアップが主流だった。しかし、このTMAXが登場しその面白さに気付いたユーザーが全国的に増えたことで、TMAXのカスタムも本格化。その結果、250ccクラスとは異なる、TMAXならではの走りを追求したスタイルが、流行していったのだ。
今回紹介するこちらの車両は、神奈川県茅ケ崎市にあるプロショップウェーブが、2009年に製作した1台になる。映画「ワイルドスピード」で流行した4輪のスポーツコンパクト系のスタイルや、ドリフトで人気だったバイナルスタイルが、いつしか“湘南系”と呼ばれるように。このマットブラック&レモンイエローのTMAXも、そんなカテゴリーに組み込まれる車両だった。
外装類は、TMAXと言えばココ!というほど、多彩なラインナップで有名な弥生製エアロや自社オリジナルを使いつつ、各部にはダクト加工を施すなどして、当時の話題のアイテム&テクニックを満載。マフラーは、走りにわずかなヤンチャさをミックスしたカチ上げ系。そして僅かなローダウンと、速さを楽しむための駆動系チューニング。見た目は渋ハデ。でも、峠ではスポーツバイクに劣らない走りが可能。日本のTMAX文化は、このルックスと共に、今でも世界中から注目されていることを知ってほしい。
フロントフェイスはウェーブのオリジナル製品。チョップドタイプではないスクリーンレスのデザインが懐かしい。コワース製カーボンフロントリップは、フロントカウルとフェンダーの隙間を埋めるエアロパーツ。他社にはないアイデア品だったが、現在は廃盤。
マフラーはストライカー、エキゾーストパイプはSP忠男を流用。しかし、これらをただ繋ぐのではなく、管長を稼ぐための通称トグロ巻きとこのカチ上げ感により、見た目のヤンチャさがアップ。
キジマのハンドルポストなどを流用することで、バーハンドル化。使用する商品はユーザーにより異なるが、バーハンスタイルもTMAXの必須仕様。初期型のSJ02Jのため、純正でタコメーターは装備されず。そのため、別体メーターを追加している。
リアにもブレンボを装備。キャリパーサポートは、R5ファクトリー製だ。このR5ファクトリーでは、現在でも各種キャリパーに合わせたサポートを販売している。300ミリローター用が標準設定で、この車両で使っているブレンボやフランド、純正用などがラインナップ中。
フロントも300ミリ大径ローターを装着。こちらのサポートはTKDのワンオフ品。TKDではこのような削りもののワンオフ加工を多く担っていた。
ダクト加工はレーシーなイメージでまとめるための必須仕様だった。どこにどんなデザインで開口するのか? その配置にセンスが現れる。
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