掲載日:2022年09月21日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY 取材・写真・文/ガスグラフィックス
大阪の老舗スクーターショップであるGOTTY(ゴッティ)が、また新しい仕掛けを用意してきた。それは、マグザムのフロントに17インチのホイールを装着する、というもの。250ccクラスのビッグスクーターにおいては、フロント12~15インチが通常サイズで、マグザムは前後共に13インチが採用されており、特に4輪化が好まれるビッグスクーターの世界では、マグザムエンジンをベースにしていかに4輪化するかが焦点となっていた。そして、それを打開する後輪4輪化キットを最初に作ったのがGOTTYで、その車両は、2021年1月6日掲載分で紹介している。
そんなGOTTYの代表鶴内さんが、かねてから考えていたことは「マグザムでの前後のホイールデザインを同系統で合わせたい」という思いだった。4輪化によるビジュアル的なメリットは、大径化しつつ前後に同じデザインのホイールを装着できる、ということ。しかし、既存の方法論では物足りなくなり、新しい何かを模索した時に見つけ出した答えが、このフロント17インチ化だったのだ。GOTTYでは、マグザムのリアホイールにグランドマジェスティ用の5本ディスクを履かせる機会が多い。これに相応しい大径かつ5本スポークホイール。そこで見つけたのがYZF-R1用のホイールだった。しかし、大径化による製作時の困難も増大。それをメカニックと共に苦労を乗り越えて形にしたのが、この“F7”となる。
GOTTYではこのホイールキットを開発しているため、すでに“F7”は数人ものオーナーが誕生している。外装はオーナーそれぞれの好みが反映されているが、フロントホイールの存在感により、それらの車両が17インチマグザム=F7であることを理解できるだろう。なお今回のこの車両は、スポーティ路線にするためにメッキなどを排除してモノトーンでまとめた。しかも、10cmロングホイールベース加工も施されており、マグザムとしてのバランス感は最高。さらにこの車両は、店頭価格98万円で販売中(2022年8月取材時点)と、そのカスタムの内容とはいい意味で好対照の超お買い得価格で並んでいる。マグザムの新しい可能性を追求した“F7”は、しばらくの間、ビッグスクーター界の話題を掻き立ててくれそうな予感がする。