掲載日:2022年04月06日 プロが造るカスタム
取材協力/コタニモータース 取材・写真・文/ガスグラフィックス
広島県呉市に拠点を置くコタニモータースは、独特の世界観でビッグスクーターブームを盛り上げてきた中心ショップのひとつだ。同店代表の小谷さんは、自らも極真空手を嗜む大の格闘技ファンであり、その想いをビッグスクーターで表現した伝説的な車両が過去に存在した。それが、今回紹介するこのグランドマジェスティだ。
コタニモータースの人気商品、デビルシリーズのエアロをまとったこの車両は、製作された2006年当時、K-1で活躍していた日本を代表するファイター、武蔵選手をイメージして完成されたもの。武蔵選手は自らもバイク好きを公言し、試合の入場の際にはヤマハTMAXのスペシャルTシャツを着用して登場したこともあったほど。そんな武蔵選手のファイティングスピリットとバイク愛に感銘を受けた小谷さんが、当時のヤマハの最新車両だったグランドマジェスティをフルカスタムしプレゼント。この車両が、その後の武装戦線までに続く、武蔵選手とコタニモータースの蜜月の始まりだったのだ。
フロントカウルとサイドカウルはコタニモータースのオリジナル商品デビルシリーズ。フロントはスクリーンレスが特徴。独特のデザインは小谷さんが好きな漫画「デビルマン」をモチーフとしている。なお、武蔵選手もこの漫画が大好きだったそうだ。
リアスポイラーも同じくオリジナル商品であるデビルウイングを装着。存在感際立つデザインは、当時大流行したエアロブランド=BELLと双璧を成した超人気シリーズだ。この車両のカラーリングは、武蔵選手が試合時に着用していたトランクスをイメージしたもの。各部にフレークが散りばめられた派手な仕様だ。
大柄なダイヤモンド柄が採用されたエナメルシートも、車両外観のカラーに合わせて表皮をシルバー、パイピングをブルーで統一し、派手さを強調。こうしてみると、リアスポイラー表面には、さりげなくピンストライプが施されているのが分かる。
当時、各ビッグスクーター専用品としてデビルより正式にマフラーが発売されていた。オリジナルエアロにデビルと名付けただけに、マフラーにこれを選ぶのはもはや必然だった。なおコタニモータースでは、この時代の後に同店オリジナルのブリッツマフラーをリリースしている。
インナーはブルーフレークに塗装。シルバーとの相性は抜群だ。ハンドルは、ゆったりとした乗車姿勢で注目されたオーバルのリクライドバー。今の絞り系とは対極のスタイルが、当時は多くの支持を集めていたのだ。写真では見えにくいが、レバー類にもオリジナルメッキを施工。同店のメッキ加工は、その煌めきや耐久性に定評がある。
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