掲載日:2020年06月10日 プロが造るカスタム
取材協力/ゴッティ
取材・写真・文/ガスグラフィックス
2000年代初頭から始まるビッグスクーターブームが落ち着きを見せた2007年に、GOTTYは大阪で生まれた。当時はクルマの世界でもラグジュアリーが最盛期であり、そのスタイルをビッグスクーターのジャンルで継承し、今でも第一線でその普及に全精力をかけているのは、日本全国を探してもGOTTYしかいない。今回紹介するこの煌びやかなマグザムは、同店が創業当初に製作した代表車両である。
最も注目すべきは、右リアカウル部分のガルウイングだ。カウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴ、そして現在のアヴェンタドールと、ランボルギーニ社のV12エンジン搭載ハイエンドカーの象徴であるガルウイングを、なんとマグザムに採用したのだ。このアイデアは、製作当時の2008年でも誰も思いつかなった手法であり、結果的に今現在もGOTTYのアイデンティティとして認知されている。
同店代表の鶴内さんは、自身が長年経験してきたクルマのカスタム文化をビッグスクーターへと継承した第一人者だ。実際、2002年に創刊したトランスクーター誌の表紙を飾ったのが、一般ユーザー時代の鶴内さんの個人車両のマジェスティC。そしてGOTTY創業後、初の表紙車の座を獲得したのが、やはりこの時の愛車であったこの“ガルザム”なのだ。
一目でGOTTYと分かる独特のグラフィックや美しいペイント。ガルウイングなどに代表される独創的アイデア。今でも活躍するビッグスクーター界の奇才には、語り継がれるべきこのような歴史があることを覚えておいてほしい。
透き通るようなキャンディレッドとデザインが印象的。GOTTY登場前にもシンプルなラグジュアリーは存在していたが、本場アメリカで流行ったリッチなブラックアメリカンの豪華絢爛スタイルを踏襲したのは、同店が初めてだった。
グリップやスイッチボックス、各種ケーブル類などハンドル周りのオールメッキ化とモニター装着を徹底。ラグジュアリーを目指すには、このポイントをしっかりと抑えることも重要。
マグザムにはフラットシートが似合うが、表皮にはヘビ柄をワンポイントで採用。光沢感あるビニールレザーに施された同店の箔押しロゴなど、こういった表現もGOTTYだけのスタイルであり、今でも継承されている。
130φサイレンサーの2本出しは、かなり存在感が増すビジュアルとなる。しかし、この車両のリアカウルは、ノーマルよりもさらにワイドとなるシグマスパイダー製を使用しているため、ボディとのバランスも全く違和感が無い。
リアカウルをガルウイングとし、その内側にモニターを装備した。こういったギミックでユーザーを楽しませてくれるのもGOTTY流。ちなみに鶴内さんは、このガルザムを日常使いだけではなく、東京~大阪往復も楽しんだ猛者でもある。
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