掲載日:2020年03月25日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY
取材・写真・文/ガスグラフィックス
車両全体に施された、まるで芸術品のような美しいミューラルペイントに目を奪われてしまう。どちらかと言えば、マグザムの場合はシンプルなスタイルにまとめられることが多いのだが、ここまで鮮やかに存在を主張する車両は、なかなかお目にかかれないだろう。
製作は大阪のゴッティ。言わずと知れた、日本、いや世界でも唯一のスタイルを持つスクーター専門店だ。同店がこの車両で表現したのは、ミューラルペイントだけに留まらない。前後15インチの大径タイヤを装着。一般的にはリアタイヤだけを大径化する傾向があるが、フロントアスクル回りのハブを製作することで、4輪用ホイールを装着しての15インチ化を実現。
しかも、ローライダー系に見られるワイヤーホイールをあえて使用せず、ラグジュアリーショップらしい8交点スポークデザインをセレクトしたこともポイント。さらに、マグザム乗りは「バランスが崩れる」ことを理由に、リアタイヤの大径化を望むユーザーが少ないが、ここにも意欲的に挑戦していることも、ゴッティらしいセンスが溢れている。
ブームがひと段落したことで、スクーターカスタムの可能性も打ち止めとなったように見えるかもしれないが、アイデア一つで、いつでも新しい方向性を打ち出すことができる。ゴッティは、いつでもその発信源の中心地で奮闘しているショップなのだ。
ワンオフ加工により、鋭い眼光を手に入れたヘッドライト回り。フロントフェイスの突端にエッジを持たせつつ、ヘッドライト下部もそのデザインに合わせて造形したり、左右の切れ込み部分の立体的な造り込みなど、ミューラルペイントに目が奪われそうだが、この細部にこそゴッティのこだわりが溢れる。
ミューラルペイントを施す場合は、ライダーとタンデムが一体となったFRPフラットシートが好まれる傾向が強いが、あえてシングルシートにこだわる。リアカウルもそれに合わせて、中央部のエッジを強調しつつ、カウル端をシャープにした独特のデザインを採用。
ミューラルペイントはもちろんインナー部分にも施される。オーディオ、ステッププレートまで、ボディ同色にペイントしたことで、一体感を強調。あまりにも美しすぎて、乗車することをためらうほどの仕上げであることは間違いない。
CJ43スカイウェイブのエンジンスワップではなく、オリジナルスイングアームを追加したことで実現したマグザムのリア大径化。この場合は両持ち式となり、右側にご覧のようなスイングアームを使用することで、両持ちとなるのが特徴。
前後ディスクには、同店ロゴ入りのオリジナルデザインのディスクローターを採用。このようなひとつひとつの細部のこだわりが、完成度を高める要因である。なお、サブヘッドライト、キャリパーなどもボディ同色へと変更。
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