第4回 もしも…ホンダ PCX150に乗れたなら?【雨天&夜間編】

掲載日:2014年09月12日 長期インプレホンダ PCX150    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/本田技研工業株式会社

ホンダ PCX150の画像

PCX150がうちに来て、3ヵ月目に入ります。その間、主にふだんの足として取材や仕事の打ち合わせ、あるいは買い物などに活躍してくれています。そんな日常的な使い方だからこそ、乗るのはいつも晴れた日の昼間だけとは限りません。そう、雨の日や夜間など、バイクにとって決して条件の良くない時も走るわけです。この状況は、通勤や通学などで乗るために購入を考えている人にとっても、気になる点でしょう。そこで今回は、雨天時と夜間の走行フィールや使い勝手をお伝えします。

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短いスクリーンと細いボディ
雨に濡れるのは仕方なし!?

まずは、雨の日の走行についてです。すでにほとんどの人が予想しているかもしれませんが、PCXで雨の中を走ると、かなり濡れます。まず、スクリーンと呼べるものが前方にほとんどないため、上半身が濡れます。そして、ボディが細身なのと、ちょうど膝の前にあたる部分のデザインのために、雨が下半身を濡らします。これはある意味仕方がないというか、細身の車体を活かしたふだんの軽快な走りとトレードオフになっている感がありますね。フルサイズの、スクリーンの大きなスクーターのような雨除け性能は期待しない方がいいでしょう。

上半身については、ロングタイプのスクリーンに換装することで、かなり改善できそうです。ホンダの純正アクセサリーのほか、GIVIなどの社外品もありますので、好みや予算に応じて選ぶといいでしょう。下半身については、ちょうどフロントサイドカウルの部分に装着する“サイドバイザー”というパーツが社外品で存在します。細身のフォルムは変わってしまいますが、雨天時の濡れ対策のほか、冬の寒さ対策にも有効なようです。少しの雨ならカッパを着ないでやり過ごしたい、という人は、これらの装着を考えてみてもいいと思います。

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バランスの取れた純正タイヤは
決して滑りやすいわけではない

雨天走行で気になるのが、タイヤのグリップです。PCX150はIRCのSS-560というタイヤを採用していて、サイズはフロントが90/90-14M/C 46P、リアが100/90-14M/C 51Pとなっています。このタイヤ、雨の日などはちょっと滑りやすい、という評判を耳にしていました。では実際はどうでしょう? うーん、僕が雨の日に乗ってみた感じでは、特にこのタイヤが滑りやすい、という印象はありませんでした。

PCXのホイールは14インチと大径で、けっこう走りに強いイメージがあります。実際ハンドリングも素直だし、コーナーリング性能もいいので、ふだん大型バイクに乗る“ミッション野郎”の僕でも、違和感なく走れてしまいます。ところが、タイヤサイズは車体に対して細い印象です。特にリアは細く感じますね。どうもそのあたりが、滑りやすいと思われる原因だと思うんです。つまり、なまじ普通のバイクみたいに走れちゃうので、ついタイヤが細いことを忘れてしまうんじゃないでしょうか。つまりこのタイヤが滑りやすいのではなく、滑るならばこの細さのタイヤが受け止められる限界を超えているだけなんだろう、と思うんです。150ccの中型バイクではあるけれど、あくまで車体は125ccクラスなんだ、と意識して乗れば、問題ないと思います。裏を返せば、PCXというマシンが、それだけガンガン走る気にさせてしまう、ということなのかもしれません。

純正のタイヤはグリップと耐久性、排水性など、トータルでバランスの取れた性能を持っています。もしグリップに不満があるならば、現在では数社からリプレイスタイヤが出ているので、耐久性よりもグリップ性を重視したタイプに交換してみるのもいいと思います。

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次世代の白さと明るさ
LEDヘッドライトは目立つ!!

さて、次は夜です。夜間走行で気になるのは、やはりLEDヘッドライトの実力でしょう。第1回目にも触れましたが、夜間の他車からの見え方、つまり被視認性に関しては、白くてキラキラした光のため、抜群に目立ちます。対向車としてすれ違っても、「あ、新型PCXだ」とすぐにわかるほどです。

では、運転席からみた、照らし具合はどうでしょうか。明るさについて写真ではいくらでも修正できてしまうので表現が難しいですが、60/55wクラスのハロゲン球に比べて、暗いと思ったことはありません。また、同じ白っぽい光でも、HIDに比べてロービームは明るい印象です。逆にハイビームにしてもそれほど光量が増した感じはなく、ドカンと遠くまで見える、というパンチはないように感じます。ただ、光の直進性が強いからなのか、色の性質や色温度によるものなのかはわかりませんが、蛍光灯の下で物がはっきり見えるように、照らした対象物のディテールはわかりやすい印象です。このあたりは、出始めの頃のHIDのように「見えずらい」「明るく感じない」などという心配はないと感じました。他の灯火類、テールランプやウインカーなども夜間走行でよく目立ち、とても安心感がありますね。

ホンダ PCX150のチェックポイント!

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ボディがスリムなことに加え、この膝の前にあるカウルを伝って雨が膝下に流れ落ちます。

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スクリーンが短いと、メーターパネルにも雨がかかって水滴が溜まります。こうなるスピードは読み取れますが液晶部分はとても見えづらくなります。

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暗めの道でのロービーム。実際より写真の方が少し明るいかもしれませんが、照らされた部分はハッキリ見えます。ちなみにメーターパネル右のランプはアイドリングストップのものです。

ホンダ PCX150の画像

メーターパネルは夜でもクッキリ見やすく、それでいて視界の中で邪魔になりません。中央の液晶部分も読み取りやすいです。

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LEDヘッドライトは、すぐ脇の原付のライトはもちろん、隣の車のHIDと思われるライトと比べても非常に白くて明るく、目立つのがわかります。

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