第4回 もしも…ヤマハ マジェスティSに乗れたなら?【夜間&雨天編】

掲載日:2014年12月24日 長期インプレヤマハ マジェスティS    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ マジェスティSの画像

マジェスティSのような150ccクラスのスクーターは、通勤や通学、買い物など、いわゆる日常の足として使われることがほとんどでしょう。当然、毎日乗る人も多いわけで、雨や風の強い日にも乗る必要があったり、夜のライディングが占める割合も決して低くはないはずです。そんな、バイクにとってある意味悪条件ともいえる状況での使い勝手は、誰しも気になるところではないでしょうか。そこで今回は、雨天と夜間の走行フィーリングや使い勝手についてチェックしてみました。果たして悪条件下でのマジェスティSの実力はどんなものでしょうか?

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60/55wのハロゲンヘッドライトは
光量、配光ともに実力は十分

まずは夜間走行についてです。マジェスティSのヘッドライトはハロゲンの60/55wと、中型バイク等では一般的なワット数を採用しています。そんなに明るくないだろ? と思う人が多いと思いますが、リフレクターとレンズのクリア部分の面積が広いデザインのためか、街灯の少ない暗めの道でもしっかりと前方を照らしてくれて、不安はありません。

ロービームはフロントタイヤの前方1.5mほどから前を扇状に照らすため、路肩なども良く見えます。ハイビームにするとフロントタイヤのすぐ前から数十m前方まで、満遍なく照らす光の帯が道路の状況をクッキリと浮かび上がらせます。ライバルといえるホンダのPCX150はLEDヘッドライトの採用で真っ白い光を放ちます。マジェスティSの光は従来からよくある、わずかに黄色がかった光ですが、フロントシートから見た際の印象はマジェスティSのほうが明るいかな、と感じました。特にハイビームは、ハッキリとロービームとの違いを感じさせる力強い光です。

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抜群の被視認性をもたらす
LEDポジションライト

次は夜道で他の車からどう見えるか、いわゆる被視認性についてです。マジェスティSはヘッドライトの両脇にLEDのポジションライトを装備しています。これが、非常に良く目立つのです。最初に目にしたときはこのポジションライトの白い光とヘッドライトのわずかに黄味がかった光の色の差に違和感がありましたが、様々な光が混在する道路上では、逆に2種類の色が一つのボディに載ることで、かえって目立っている印象です。ちなみに停車する際、サイドスタンドを出すとエンジンが止まってヘッドライトは消えますが、LEDのポジションライトとテールランプは点灯したままなので、暗い場所で路肩に寄せて停車する際などにも安心です。

このポジションライトは薄暗い昼間などでもとても良く目立ちます。それを実感できるのが、雨の中での走行です。霧雨はもちろん、大雨のために視界が良くないような場合でも、キリリと明るく白い光はかなり遠くからでも確認することができます。フォグランプ並み、とまでいうと大げさかもしれませんが、ハロゲンの柔らかめの光とは質が違い、目につくことは確実で、安全のためにはありがたい装備といえるでしょう。

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前後のブレーキを使いこなせば
雨の日も安定した走りが可能

さて、雨天時の走りはどうでしょうか。よく「リアブレーキがロックしやすい」という評判を聞きます。確かに雨の日にリアブレーキのみをギュッと強めに握るとロックしやすい傾向はありますが、これはリアにもディスクブレーキを採用しているため、強力な制動力を発揮するからなのです。いわば“効きすぎ”で、他のスクーターでコンビブレーキやリアのドラムブレーキに慣れている人が乗り換えると、つい癖で強めに握ってしまうから、というのが原因ではないでしょうか。ミッション付きのバイクに乗り慣れている人なら、むしろ前後のブレーキ特性を知った上で使えばコントローラブルで安心感の強いブレーキといえますし、スポーティなマジェスティSにはこれぐらいの効きがちょうどいい、と個人的には感じます。

タイヤは前後とも13インチで、フロントが120/70-13、リアが130/70-13というサイズです。このクラスのスクーターにしては太めで安定感があり、ごく普通の乗り方をしていれば雨の日のコーナーやブレーキングで不安を感じたことはありません。もちろんビッグバイク用の高性能タイヤなどと比べれば限界は低いので同じように曲がれるわけではありませんが、車両とのマッチングは悪くない印象です。

雨の高速道路では、スクリーンがなくメーター前方が開けているにしては、意外と体にかかる水しぶきが少ない印象です。前回の高速走行編でも触れましたが、身長170cmの僕の体格にちょうど合っているのか、前からの風は肩より上にうまく吹き抜けていく感じです。ただもし自分で所有するなら、やはりロングスクリーンを装着して、より快適な走りを目指したいですね。

ヤマハ マジェスティSのチェックポイント!

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暗い道でのハイビーム。本文最初にあるロービームの写真に比べて、全体にかなり明るく遠くまで照らしているのがわかります。

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メインキーをオンにした際や、サイドスタンドを出してエンジンが止まるとこの状態になります。ポジションライトは左右にLEDを6灯ずつ装備し、かなりの明るさです。

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テール&ブレーキランプにもLEDを採用し、夜でも周囲からクッキリと見えます。ウインカーは通常のバルブです。

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KENDA製の13インチタイヤはマジェスティSのキビキビした走りをしっかり支えてくれます。

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スクリーンがなく、メーター前方のバイザー部が短いため、雨天時はレンズに水滴が溜まってメーターが読みづらくなります。スピードだけでも目立たせる方法はないものでしょうか……。

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