PGO G-MAX150LC
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PGO G-MAX150LC – 高速道路にも乗れるスポーティスクーターが2代目に

掲載日:2014年08月11日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

PGO G-MAX150LCの試乗インプレッション

PGO G-MAX150LCの画像

実用域重視のエンジン特性と
扱いやすさも考慮したスポーツ性

独特なリアサス機構を採用しながら、フルフェイスヘルメットを収納できるトランクスペースを確保したこともあり、シート高はかなり高め。身長167cmで体重62kgの筆者が、シートのもっとも細い部分にまたがると、両足の裏が1/3程度着くような状態で、小柄なライダーはやや気を遣うかもしれない。ただし、125と共通化されたコンパクトな車体は、それほど重くないので、片足支えでも不安は少ない。

車体前方に足を投げ出せるようなスペースがないため、常にヒザを曲げて乗るライディングポジション。とはいえ、ライダー側シートには前後長があるため、自由度は意外と高く、窮屈なフィーリングはない。ハンドルは、シート位置に対して適度に遠くてやや低め。ハンドル幅はそれほどなく、日本人の体形でも扱いやすい設定となっている。

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最高出力16.3馬力を叩き出す新世代の水冷単気筒エンジンは、停車状態からのフルスロットル加速においては、出足がややマイルドに設定されている。しかし20km/hを超えたあたりで、それまで使っていた5,000回転から、8,000回転をキープした加速にチェンジ。ここから本領が発揮され、日本における法定最高速度の100km/h近くまで、よどみのない加速が続いていく。極低速域においても、マイルドとはいえ遅いという感覚ではないのだが、この中速域での力強さは、市街地での移動時にとても魅力的に感じられる。

排気量が125ccを超えているため、日本では高速道路に乗ることも可能。100km/h巡航時でも、パワーユニットには2割ほどの余裕がある状態なので、ギンギンにトバしてというわけにはいかないが、日常的に高速道路を使っても不安や恐怖感がない。

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そんな頼もしいエンジンに対して、車体がしっかり対応しているのも、G-MAX150の魅力。高剛性フレームと前後13インチホイール、独特な6リンケージ式のリアサスが生みだすコーナリングは、非常にニュートラルなフィーリングで、市街地の交差点から郊外の気持ちいいコーナーまで、イージーに操っていくことができる。その一方で、極低速走行時には驚くほどの安定性があり、ハンドルをフルに切った状態でゆっくりとUターンしても、あまりフラつくことがない。

サスペンションは、前後ともにやや硬めな設定。ギャップ通過時には、それらが気になることも稀にある。しかし、シートクッションが厚いため、そんな状況下でも乗り心地は悪くない。

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またこのG-MAX150は、かつてのアローロ125や空冷G-MAXシリーズと同じく、ブレーキの制動力にも優れている。フロントに対向4ポットキャリパーを使うことからも、それは容易に想像できるだろう。ただストッピングパワーの高いブレーキを搭載しても、車体がプアでは実力を発揮できないが、この機種の場合はしっかりとした足まわりと剛性のあるフレームを備えているため、かなりアグレッシブなブレーキングも可能だ。

また、フロントもリアも簡単にタイヤがロックするほどのブレーキ性能だが、前後ともカチッとしたレバータッチの中に、コントロール性もしっかり追求されていて、不安なくブレーキングできるのもうれしいポイントだ。

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シートのタンデム部は、前後長がそれほどないが、とはいえライダー側に着座位置の余裕があり、また後席両サイドにはスポイラーを兼ねたグラブバーも備えることなどから、タンデム時にも十分な居住性が得られる。スポーティに郊外をショートトリップするもよし、ソロまたはタンデムでコミューターとして使うのもありと、守備範囲は広い。

G-MAX125に比べれば、保険や税金といったランニングコストは増すが、そのぶん高速道路にも乗れて、車重はほぼ同じまま2.8馬力アップしたエンジンが手に入る。普段の使い方や走行シーンを考慮しながら、より自分に合う方を選びたい。

PGO G-MAX150LCの詳細写真は次ページにて

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