掲載日:2019年05月12日 試乗インプレ・レビュー
写真/井上 演 取材・文/佐賀山敏行
早速、試乗してみる。またがってみて、まずはじめにシート高の低さを実感。僕は前モデルにも乗ったことがあるのだが、確実に足つき性は良くなっている。このクラスのスクーターは街中での使用が多く、ストップ&ゴーも多め。だからこそ、足つき性は重要なポイントだといえるだろう。
いざ、走りはじめる。トリシティ155の車両重量は165kgで、同クラスのなかでは重い方。当然、加速もそれなり……かと思いきや、意外にもスルスルとスピードを上げていく。もちろん、NMAX155やマジェスティSと同じ加速スピードで走れるわけではないだろうが、それでも日常域で不足を感じることはない。むしろ一般道ではクルマの流れをリードすることも可能で、155cc「BLUE CORE」エンジンの性能の高さを見せつけられた。
高速道路も、法定速度で巡航してもまだエンジンに余裕はある。追い越し車線に無理なく出られたことも、好ポイントとして付け加えておきたい。これなら通勤や買い物だけでなく、ロングツーリングだってこなせそうだ。
今回は撮影ポイントに向かうために東京湾アクアラインを通った。当日は強風が吹いていたが、トリシティ155の安定感は素晴らしかった。ほとんど車体を振られることなく、横風吹きすさぶアクアラインを走りきったのは、大げさではなく感動を覚えるほど。
この安定感はワインディングでも続く。ピタッと路面に吸い付くようにして、右に左に曲がっていく。今回は幸いにして路面状況は良かったが、前モデルを試乗したときは秋で、路肩に落ちている大量の落ち葉を前輪が踏んでしまったときも、残る1輪がしっかりグリップしていたおかげで、スリップすることはなかった。
そして、低速時のふらつきがほとんどなかったのも特筆すべきポイントだろう。バイクで転倒するのは高速走行時よりも、停車寸前やUターンなどの低速時が多い。車体のバランスを崩しやすく、そのまま車体を支えきれずに転倒することがあるのだ。しかし、トリシティ155はそうした低速時こそ抜群の安定感を誇る。
これらの特性によって、ちょっとした悪路もへっちゃらだし、長時間走行でも疲れにくい。トリシティ155を「たかがスクーター」と侮ってはいけない……あらゆるシーンを走破し、ライダーに安心感をもたらす「真のオールマイティーモデル」だといえる。
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