

掲載日:2016年07月26日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/野岸“ねぎ”泰之
またがると少し腰高な印象はあるものの、車体の小ささからくる窮屈さは感じられない。停止状態からアクセルをワイドオープンすると、グォーンという威勢の良い音とともにエンジンが一気に6,000回転ほどに吹け上がり、油断するとウィリーしそうになるほど元気の良いスタートダッシュを見せる。一般道なら法定速度に達するのはあっという間だ。その後中速~高速域にかけての伸びも非常にスムーズで、トップギアのままスーッと加速していくようなイメージだ。
コーナーリング特性も素直なもので、フロント、リアのサスペンションがともによく粘り、街中でブレーキを掛けつつ細かくターンするような状況から、高速道路でのクルージングまで、不安を感じることはほとんどない。タイヤサイズが12インチのため、さすがに高速域でバンピーな路面は苦手だが、標準装着のリアサスがなかなかいい働きをしてくれる。前245mm後ろ220mm径のディスクブレーキの制動力も十分で、繊細なブレーキ操作を求められる都市部でも十分コントローラブルだと感じた。
アイドリングストップ機構については、信号待ちなどでエンジンはスムーズに停止するものの、再始動の際にはブレーキをけっこうしっかり握らないとアクセルをひねってもエンジンがかからないので、少しコツが必要な印象だが、慣れれば問題ないだろう。俊敏な性能と小回りがきいて高速にも乗れる利便性を兼ね備えたティグラ168Rは、コミューターとしてかなりの完成度と戦闘力を持ったマシンといえる。
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