スズキ スカイウェイブ650LX
スズキ スカイウェイブ650LX

スズキ スカイウェイブ650LX – ラグジュアリー感にあふれる最高峰!

掲載日:2013年05月07日 試乗インプレ・レビュー    

取材・撮影・文/田宮 徹

スズキ スカイウェイブ650LXの試乗インプレッション

スズキ スカイウェイブ650LXの画像

優雅に走れるエンジンと
軽快かつ安定感のある旋回性

新型スカイウェイブ650LXの大柄なボディは、余裕のあるライディングポジションを生みだす。ライダー側のバックレストは、工具を使わず50mm幅で前後5段階に調整できるが、これをもっとも後ろにセットした場合、身長167cmの筆者が深くシートに座ると、膝を完全に伸ばして足を投げ出すことができる。一方で、バックレストをもっとも前にセットすれば、しっかりと体重をかけながらバイクを操ることが可能だ。

シート高は760mmで、シートの幅もそれなりにあるため、身長167cmの筆者がもっとも足着きがよい場所にまたがっても、両足の裏が1/3ほど接地する程度となっている。それでも、フロアボードのふくらはぎ内側に当たる部分が大きくカットされているため、車体を支える際に大きく股を開く感覚が少ない点はうれしい。

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パワーユニットは、電子制御CVTのモードを、通常無段変速のドライブモード、無段変速のままでよりエンジンの高回転を使用するパワーモード、有段的に設定された1~6速を任意でセレクトするマニュアルモードの3タイプから選択できる。

このモード設定そのものは先代同様ながら、CVTの制御変更によって燃費向上を図っていることが影響してか、先代に抱いていた印象と比べると、ドライブモード時の加速は、ややマイルドに感じられた。638cc並列2気筒というエンジンから考えると、やや物足りなさもある。しかし、パワーモードの存在を考えると、このような設定も悪くない。この機種は、ビッグスクーターというカテゴリーとしてばかりでなく、たとえばロングツアラーとして考えているユーザーも多いはず。機敏すぎるエンジン性能は、ゆったりと旅を楽しみたいときには疲労感へとつながる。どうせモード切り替えができるのだから、ドライブモードはマイルドにという思想は、むしろプラスと言ってよいだろう。もちろん、そのぶん燃費性能が向上されているというのも、ガソリン価格の高値が続くこの13年にあっては、とてもうれしいことだ。

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もっとも、ドライブモードでのやや物足りない加速をプラスの評価でとらえられるのは、同じ無段変速ながら一気に機敏な走りへと変化するパワーモードが控えているからである。エンジンの高回転域を多用するこのモードを選択すれば、スカイウェイブ650LXは本来のパワーをしっかり使った走りを披露してくれる。マニュアルモード時のギアで表現するなら、ドライブモードに対してパワーモードは2速低いギアを使っている感じだ。

ただし、日本の法定最高速度を超えた超高速域では、意外と早めに頭打ち感がやってくる。日本版と海外版の細かな仕様の違いは定かではないが、海外市場での活躍をにらんだモデルとしては、少し意外さもある。中速域での加速力はかなり満足できるレベルにあることから、超高速巡航よりも実用シーンでの機敏さを重視した結果なのだろう。いずれにせよ、日本の道路事情や法定速度では、このセッティングはかなりポイントが高い。

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もちろん、スポーティに乗りたいライダーは、マニュアルモードを選択して意のままにシフトチェンジを楽しむことができる。ただし、パワーモードでも十分に加速力とエンジンブレーキを得ることができることから、マニュアルモードを必要としないライダーの方が多いのではないかと想像している。

さてこの新型スカイウェイブ650LXには、ドライブモードでは優雅に、パワーモードやマニュアルモードでは機敏にというエンジン性能と同じく、コーナリング性能にも二面性が備わっているような印象がある。まず、非常に大柄な車体に、重くて鈍重なイメージを抱くライダーも多いだろうが、実際の旋回は意外なほど軽快。あまり難しいことを考えずに、スッと寝かし込んでいける。しかし、ただ軽快なだけではない。車体の実重量がかなりあることも影響して、バンクさせた状態では、軽快さというよりも、路面に張り付くような安定性と接地感がある。ハンドリングにはクセがなく、曲がりたいぶんだけ車体を寝かせるというイメージで、とても扱いやすい。

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また、標準装備されるABSの制御もかなりハイレベルにある。「1秒間に約100回の車速演算をする」というABSユニットは、作動が非常にきめ細やかで、ロックを回避するという基本部分においては最上級のレベルにある。勇気を振り絞って、やや砂が浮いた路面でフロントブレーキのみをガツンと握ってみたが、何事もなかったかのように停止することができた。

スカイウェイブ650LXが誇る装備の豪華さについては、いまさら説明するまでもないかもしれない。バリエーション豊富で大容量の収納スペース、グリップヒーターやシートヒーター、電動調整式のスクリーン、さらに電動格納ミラーまで、先代同様にアイテムが満載されている。パワーユニットやコーナリングの特性とともに、快適なツーリングをサポートしてくれるはずだ。

より上質で洗練されたデザインと優れた燃費性能を手に入れ、同時に運動性能も高いレベルでまとめられた新型スカイウェイブ650LX。タンデムを含めたツーリングシーンで、その快適性と優雅なスポーツ性をぜひ味わってもらいたい。

スズキ スカイウェイブ650LXの詳細写真は次ページにて

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