KYMCO レーシングキング180FI
KYMCO レーシングキング180FI

KYMCO レーシングキング180FI – シリーズ最強仕様として登場

掲載日:2012年05月15日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/田宮 徹

KYMCO レーシングキング180FIの試乗インプレッション

KYMCO レーシングキング180FIの画像

日常の移動がグッと楽しくなる
驚速のシティランナー!

レーシングキング180FIに乗り出してまず驚いたのは、その加速性能だ。とくに、停車状態からのアクセル全開加速は、文句なしに速いというイメージ。加速騒音規制への対応から、国産モデルが苦手とする40km/h前後の常用域でも、鈍ることなくスピード上昇が続き、国内法定最高速度となる100km/hまで、かなりの短時間で到達する。しかも、加速感は極めてスムーズ。この動力性能なら、通勤通学スペシャルとして日常的に使っても、まるで不満が起こらないだろう。また180ccという排気量から、高速道路にも乗ることができるが、国内における現在の平均的なクルマの流れを考えれば、恐怖感なく高速道路での移動を楽しむこともできる。ちなみに最高速度は約120km/hのようで、国内法定速度域内での使用はある程度の余裕があることになる。

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一方で、コンパクトにまとめられた車体は、ライディング時の軽快感へとしっかりつながっている。ただし、ある程度の車重とホイールベースがあり、前後12インチホイールを採用していることもあって、一般的な原付スクーターのようにフラフラしてしまうような不安定さはない。深いバンキング時には、意外なほどのしっとり感があり、とても扱いやすい。

もちろん、コーナリング時の扱いやすさばかりでなく、コンパクトな車体はUターンや取り回しのしやすさにもつながっている。まるで原付二種クラスのスクーターに乗っているかのように、市街地では抜群の扱いやすさ。すり抜けもしやすい。

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また、車体の軽さやサスペンションの性能などを考えると、ともすればオーバークオリティな制動力を生みだしてしまいそうな印象もあるブレーキは、これまた意外なほど扱いやすい。カチッとした硬めのレバーフィーリングながら、レバー入力に対してリニアな制動力が生み出され、また車体や速度域とのバランスをしっかり考えた設定となっているため、さまざまな路面状況下で安心して止まることができる。もちろん、その気になれば激しいブレーキングも可能。セイフティライディングにもアグレッシブライディングにもつながる装備だ。

シート高はやや高めで、身長167cmの筆者がまたがると、両足の裏が1/3ほどしか接地しない。ただし車体が軽めなので、これといった不安感はなかった。ハンドルはやや幅広かつ低め。フロアはフラットタイプで、乗り降りしやすい。フロアボード前方には、足を投げ出せるようなスペースはあまりないが、ライダー側シートに着座位置の自由度が与えられていることもあり、長時間走行時でも疲労感はなかった。

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ラグジュアリー系モデルと比べれば、もちろんタンデムシートの居住性は悪いが、見た目の印象よりも二人乗りは快適。バータイプのタンデムステップを採用していることや、しっかりとしたタンデムグリップを装備していることも、タンデムライダーの乗り心地向上に貢献している。

原付二種クラスと比べれば、走行性能や快適性は圧倒的にアップ。一般的な250ccフルサイズスクーターと比較すれば、よりコンパクトで扱いやすいのに、同等かそれ以上の速さがある。このバランスのよさが、レーシングキング180FIの魅力。日常的なシティランを中心に、場合によってはちょっとしたツーリングまで、幅広く使える驚速のシティコミューターだ。

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KYMCO レーシングキング180FIの詳細写真は次ページにて

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