

掲載日:2010年08月19日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
X-HOT150EFIの走りは実に刺激的だ。写真でご紹介しているように、その気になればモタードテイストのイメージ通りフラットダートで遊ぶことすらできてしまう。こうした鋭い走りをサポートしているのが、同社の最新技術を導入したパワーユニットと豪華な装備群である。スペックシート上のエンジンは強制空冷4バルブと、スクーターとしては一般的とも言える構成だ。
しかし、ヘッドにはローラーロッカーアームが組み込まれ、バルブ駆動に伴うフリクションロスを軽減。ピストンは同社が“NASAピストン”と呼ぶ合金製で、耐熱性や対摩耗性は抜群だという。燃料供給には日本のKEIHIN製のクローズドループ式インジェクションを採用し、右手に対するリニアな反応や強いトルク感を実現した、なかなかのハイテクエンジンだ。また、装備群も極めて充実。液晶表示とアナログ指針をスポーティに配置したメーターユニットには、テストモードと呼ばれる機能を搭載。0-400メートル加速のタイムなど、エンジンパワーを実感するための仕掛けが実に楽しい。ハンドルブレースを装備したバーハンドルには、スポーティで細身のグリップのほか、CNC加工による凝ったデザインの左右ブレーキレバーやカーボン調のグリップエンドを装備。特にブレーキレバーはスポーティなタッチで、前後ブレーキを自在に制御できる形状となっている。
インプレッションの項でも触れたが、フロントフォークとフロントブレーキのマッチングは抜群で、最終的にはかなりのストッピングパワーを発揮してくれるのだが、その立ち上がりはあくまでも穏やか。スクーターをスポーティに走らせる術を熟知しているオーナーなら、思わずその味付けにニヤリとしてしまうことだろう。外装デザインや各パーツの外観に「…と似ている」と感じる部分があるのが唯一残念なポイント。これだけ走りのポテンシャルが高いモデルを開発したPGOには、次のステージで何者にも似ていないオリジナリティ溢れるデザインにチャレンジしてもらいたいところである。
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